b7トラネクスト | 1級技能士・成田の印刷技術

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「b7トラネクスト」って、プロレスの必殺技みたいな名前だけど、
実はこれ、紙の名前なんですよ。関東以北では、普通に使われてる
みたいなんですが、名古屋では、最近チョコチョコと出て来たかな?
って感じくらいですね。

マットコート紙です。最近はやりの、嵩高(かさだか)ってヤツですから、
同じ連量でも、少々厚めに出来ています。手触りがイイとか、ページが
めくりやすいとかで、冊子やカタログなんかにも使われてるようです。

この紙が、刷り易いか刷り難いかって言うと、これは、超刷り難いッ!
まぁ、給紙とかに問題は無いんですが、色調を出すのが大変なんですよ。

例えばですよ、前回、ニューVマットで刷られた物が、今回、この
b7トラネクストに紙を替えて、増刷が掛かった!なんて場合は要注意です。
普通に、ニューVマットと同じ感覚で刷ったらヒドイ目に合っちゃいます。

この紙ね、トラッピングが変なんです。トラッピングって言うのは、
先刷りのインキの上に、後刷りのインキが、どんだけ乗るかってヤツですね。
この紙は、非常にトラッピングが悪いです。

例えば、藍の上の紅が乗り難い、またその上の黄色は、もっと乗り難いって
感じなんですわ。ですから、3色塗り重ねのグレーとか、茶色とかってのは、
普通に刷ると、藍が勝ち気味の、濁った色に成ってしまいます。

明るい色調が望まれる印刷物の場合は、色調クレームに成りやすいので、
充分に気を付けて下さい。

んじゃ、どうしたらイイか?って話なんですが、とにかく藍を淡く刷る事が
肝心なんですよ。藍を1.25~1.30くらいにして、紅はそれより濃く設定する。
そして、黄色はもっと濃く設定するって感じです。

それと、この紙、嵩高でフアフアした感じがありますから、1胴目の墨の
湿し水をシッカリ絞ってやって下さい。1胴目の水が少しでも多いと、
2胴目の藍の濃度が、印刷中にメチャメチャ変動してしまいます。

1胴目で、紙のフアフアが水を吸い込んで、2胴目が軽い着肉不良を
起こしてしまうんでしょうね。・・・・私的には、イヤな紙です。

中部地区から西の方達は、まだ、あまり刷った事がないかも知れませんが、
そのうち、来るのではないかと思います。その時は、この話を思い出して
参考にしてみて下さい。