技能検定試験・武勇伝? | 1級技能士・成田の印刷技術

1級技能士・成田の印刷技術

1級技能士・成田が、オフセット印刷技術を解説します~。

ブログで~す。

オフセット印刷・1級技能検定試験。私が合格したのは、もう30年も
前の話なんですが、その当時の私の武勇伝?を、チョットだけ・・・。

当時の印刷機は、まだ、自動版替え装置の無い時代でして、ブラン洗浄も
当然のように手拭き。ローラー洗浄も自動ではなく、水棒もモルトンでしたし、
それより何より、インキ壺が、ツボネジ方式でした。

こんなアナログチックな印刷機で、実技検定が実施されていましたので、
制限時間は、今の倍くらい。確か2時間半くらいだったような記憶が・・・。

事前の説明会で「休憩を取るのは自由で、休憩場所も喫煙場所も用意されて
いますが、全て制限時間内に行って頂き、休憩中だからと言って、時計が
止まる事は有りません。過去に休憩を取った受検者はいませんし、まして、
時間内に喫煙をした人もいませんでした」

こう言われてしまうとねぇ~。チャレンジャー成田としては、どうしても、
「歴代初!」と言うのをやりたいのですわ~。

実技試験は、2色機を使って行われました。刷り色は、藍・紅を刷って、
次に、特色の紺と黄を刷れば終了です。手早く、藍・紅を刷り終え、ブランと
ローラーを洗浄して、そこで挙手。「休憩しますッ!」

試験会場内に数人おられた審査員の方々は、そりゃもうビックリですわ~。
「ええッ、休憩?」・・・怪訝そうな顔の審査員の皆さんの前で、休憩場所の椅子に
ドッカリと座り込み、なんとまぁ、タバコに火を付けて、喫煙しちゃいました。

休憩場所に寄って来られた審査員の方と、並んでタバコをふかしながら・・・
「時間、大丈夫?」と心配されるのを横目に「歴代の最速タイムって確か、
1時間45分でしたよね。今日の私の目標タイムは、1時間30分。休憩して、
それでもなお、歴代最速タイムで仕上げます!」・・・生意気なやっちゃねぇ~。

実際に「終了しましたッ!」と宣言したのは、1時間20分台でした。
審査員一同、感心すると言うよりは、呆れた感じの顔をしてらしゃいましたわ~。

当時、26歳だった私は、助手を一人使う機長で、毎日、難易度の高い印刷物を
担当させてもらってたんですわ。それに比べたら、検定試験の印刷物など、
こりゃ鼻歌混じりでこなせなきゃ、私を印刷のプロとして信頼して下さってる
会社に対しても、営業さんに対しても、お客さんに対しても、面目が立たん
と言う思いが強くて、どうしても、歴代初とか、最速とかを出したかったんです。

あと、学科試験の方も・・・
今は、学科試験の点数が公表されますが、私の時代は教えてもらえませんでした。
しかしながら、私には得点数が分かっていました。自己採点ですが、100点満点。
間違えはゼロだったと思います。それも、プロとしての意地ですわ~。

今年、技能検定を受験される皆さん。皆さんも、その多くは、すでにプロの
オペレータだと思います。プロフェッショナルの意地にかけて、是非とも、
優秀な成績で、余裕の合格を射止めて下さい。