技術系のブログで~す。
「平台校正機」って、ご存知ですか?
てか、その前に「校正刷り屋さん」って、ご存知ですか?
当社(株式会社タツミ)は、もともと「辰巳校正社」と言う名前の、
校正刷り屋さんだったんですよ。今では、A全の枚葉 LED-UV 4色機が
2台と、菊半6色機(油性)を持つ印刷屋さんなのですが、いまだに、
「4色・平台校正機(B1)」が、1台、稼働しています。
平台校正機って、刷版を、平らな定盤の上に置いて、その上を、ブランが
付いたユニットが往復して、印刷をして行きます。紙は、1枚づつ、手で
置いて行き、ユニットが1往復すると、4色カラーの出来上がりです。
まぁ、ノンビリした機械ですわ~。
マック(マッキントッシュ・コンピュータ)や、CTPが無かった頃は、
手作りのフィルムが、刷版を作るための大元に成っていたんですね。
デジタルデータが有るわけでは無いので、インクジェットプリンターで
簡易的な校正を出す事も出来なかったワケなんですよ。
そこで、フィルムから、実際に刷版を焼いて、平台校正機で、色見本を
作っていたってわけなんですね。その他には、フィルムを焼き付けて、
現像して作る、ケミカル校正ってのも有りましたが、1枚分のコストが
高かったので、やはり主流は、平台校正機でした。
今は、本物の印刷機の方が、版替えや見当・色合わせ、なんてことも、
ずいぶん早く成ってしまいましたので、平台校正機で校正刷りをするよりも、
本機の印刷機で校正刷りをした方が、早くて良い物が出来上がりますね。
こうして考えてみると、ウチの平台校正機もそうですが、文字を打つための
写植機だとか、和文タイプ、フィルムを焼くための、焼枠だとか、殖版機
(コンポーザ-)など、いらなく成ってしまった機器がたくさん有りますね。
ほんの20年前までは、印刷業界内の花形のような機器たちだったんですけどね。
こうした機器たちが、風化して行ってしまうのは、印刷の歴史を失って
しまうようで、とても寂しい思いがします。
年配の方達も、おりに触れて、そうした古い機器や、古い技術の話を、
若い人達に話してあげて下さい。今現在の成り立ちを、シッカリ理解する
ためには、歴史を勉強する事が、とても大切だと思うのです。