●質問
夜、残業して印刷した物が、色調不良で立て続けに刷り直しに
成ってしまいました。自分としては完璧な色合わせだったのですが、
昼間の光で見ると、真っ青な色調に成ってしまっています。
色見本と真っ青な刷り物を持って、印刷機の色見台で見てみると、
やはり完璧な色に見えます。
色見台の照明が良くない事は、これで分かったのですが、これは、
機械メーカーが純正で付けて来た物なので、それ以外、どんな
蛍光灯に替えれば良いのでしょうか。
●回答
照明に関しては、昔から問題が尽きなくて、本当に苦労していますね。
あえて、基本的な解説はしなくてもいいと思いますが、ぶっちゃけた話、
白熱灯(裸電球)の明りで見た色と、蛍光灯の明りで見た色では完全に
違いますよね。印刷物の色調を見るためには、正しい照明が必要なんですね。
最近、私もいろいろと見ているんですが、特にインクジェットが色調見本の
場合、一番問題が出るように思います。例えば、色見本が前回の印刷物で、
その印刷物に色調を合わせろって言う場合は、ある程度、光源がダメでも、
そこそこの色が出てくれるんですが・・・。
インクジェットが色調見本の場合だと、光源によって見え方が随分、変わって
しまうのでしょうか、光源の違いによるトラブルが、多く出ているように
感じています。
でもまぁ、それは別として、やはり、色見台の光源には、こだわりたいですね。
まず、印刷機メーカーが付けて来る、色見台の蛍光灯ですが、これは東芝製とか
パナソニック製の物が多いですね。「白色光」とか「高演色」とか、蛍光灯に
書いてありますが、これは決して「色評価光」ではありません。
こうした、家電メーカーの蛍光灯を使っていると、今回のように、残業で印刷
した物が、昼間の光では変わって見えてしまう。なんて事が起こってしまいます。
必ず「色評価光」と記された、専門メーカーの蛍光灯を使って下さい。
それとですねぇ、色見台の照明部分って、透明っぽい樹脂板みたいなので
カバーされてる事が多いかと思うんですが、あのカバーは外しましょう。
カバーのおかげで、光源の色が変わってしまう事があるんですよ。
そこまでやったうえで、問題に成った刷り物と、インクジェットの色調見本を
まずは、屋外の日陰で見てみて、それと同じように、色見台の上で見えるかを
充分に確認して、もし同じに見えないのなら、評価光を再検討するなりして、
必ず同じに見えるようにして下さい。
色温度がどうとか、演色性がどうとか、いろいろ難しい理論もありますが、
そんなことより何より、我々、プロの目で見て、同じに見えるかどうかを、
きっちり判断してやる事が一番大切です。
とにかく、夜遅い残業でも、安心して刷りたいですもんね。