● 質問
4色カラーで、濃度を計測しながら印刷を進めていると、
最近、2胴目の藍が、刷り出し時は安定しているのに、
刷り出し後、300枚くらいを超えると、濃度の変動が激しく、
なかなか安定しなく成ってしまいます。
高感度UVなのですが、やはり湿し水の関係でしょうか。
●回答
刷り出して、しばらくは安定しているんですよね、それが、少し経つと
濃度が高く成ったり、低く成ったりしてしまう。って言うことですよね。
そうですね、おっしゃる通り、高感度UVは、湿し水の、チョットした変化で、
突然、濃度が変動してしまいますね。んじゃ、本当に湿し水が悪さをしてるのか?
って言うと、実は、そうではない場合が多かったりするんですよ。
例えばですよ、刷り出して、300枚くらいのところで、急に濃度が低下するとして、
その原因が湿し水だとしますよね。と言う事は、300枚くらいのところで、急に
湿し水が多く成ってしまう。って事に成るのですが、そんな事って、チョット
考え辛いと思いませんか。
まぁ、最初っから、湿し水が多くて、それが、300枚くらいのところで破綻を来す
ってのは有るかも知れませんが、それだと、刷り出しの時から、けっこう苦しい
のではないかと思うんですよ。
んじゃ、何が悪さをして、こう成ってしまうのか。真犯人は誰か?って話なんですが、
こうした、印刷開始後の急激な濃度変動は、インキローラーの状態が悪い場合が多い
ようなんですよ。
ローラーニップとかが正しい事を前提として。と言う条件付きですが、実はですねぇ、
インキローラーのグレージングってヤツが、この真犯人だったりするんですわ~。
高感度UVって、ローラーのグレージングが本当にヒドイですよね。
この、グレージングしている物質には、いろいろな物が有るんですが、多くの場合は、
親水性の物質なんですね。
親水性の物質が、インキローラーに、こびり付いていると、刷り出しの時は、まだ
半分くらい知らん顔してインキを転移させてくれるんですが、印刷が進行して、
湿し水がインキローラーの方まで混入して来ると、この親水性物質の所が、水と
仲良しなので、そこに湿し水が集まってしまうんです。
本当は、インキを運ばなければならないローラーなんですが、親水化して水と仲良に
成ってしまうと、こりゃ、まともにインキを運べなく成ってしまうんですよ。
完全に親水化してしまうと、全く、インキを運べなく成ります。この状態のことを、
ローラーストリッピング、日本語で言うと、ローラーハゲって言いますね。
ここまで行ってしまうと、濃度が低下するどころか、ほとんど、インキが乗らない
状態に成ってしまうのですが、その前の軽い段階だったり、グレージング物質が、
完全な親水性物質でなかったりすると、今回のような、チョットだけ濃度が低下する
って言う程度に成ります。
一度、インキローラーを見てやって下さい。練りローラーとかが、グレージングして
しまっているようなら、一生懸命に磨いてやって下さい。かなり効果が有ると思います。