印刷Q&A オペレータ教育 | 1級技能士・成田の印刷技術

1級技能士・成田の印刷技術

1級技能士・成田が、オフセット印刷技術を解説します~。

●質問

今年の4月に入社した新人達が、印刷現場に配属されて2ヵ月に成ります。
自分の上司からは「3ヵ月以内に一通りの事が出来るようにせよ!」と、
言われているのですが、なかなか、ウマくは行きません。そこで質問です。
成田さんは、新人教育をどのようにされていますか?何かコツは有りますか?

●回答

ハハハ、私、新人教育は、やりません。

新人教育ってね、教える側の先輩が成長するための、カリキュラムなんですよ。

チョット考えてみて下さいよ。新入生ってのはね、つい数か月前まで、学生で、
毎日、遊んでた連中ですよ。まぁ、中にはバイトで必死に働いてたヤツもいる
かも知れませんが、それでも、せいぜいバイトですわ~。

会社に就職をして、社会人と呼ばれるように成って・・・。まだまだ半人前以下の
ガキンチョ達ですよ。そんな連中が、たったの3ヵ月で、技術職でモノに成る
なんてワケがないじゃないですか。

ものごとってね、教わる側よりも、教える側の方が勉強に成るんですよ。
例えば、私はオフセット印刷の専門家ですよね。その私に「製本」の講義を
やってくれ。ってリクエストをもらった事が有ったんですよ。まぁ大まかには
分かってるので、それなりの講義は出来ますが、そんな程度ではアカンと思い、
本当に必死に成って、製本の勉強をしましたもんね。

そして、その、勉強した事を、みんなに分かるように解説しなきゃ成らんワケで、
これはねぇ、相当な勢いで理解が出来てないと、なかなか解説出来ませんよね。
・・・そう言う意味で、教わる側よりも、教える側の方が勉強に成るって事なんです。

上司の方が、あなたに指導を任せているのは、そう言うことなんですよ。
初心者に教える事で、自分自身の理解度を確認し、不足個所を自分で勉強して補い、
自分の頭の中を、今一度、きれいに整理して、より確実な知識を身に付けろ。って
ことなのだと理解して下さい。

ですから、教え方そのものも、自分で考えて下さい。そこんとこが一番大切ですから。
現場での新人教育は、新人のためというより、自分自身のためなのです。