印刷Q&A ブランの選択 | 1級技能士・成田の印刷技術

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1級技能士・成田が、オフセット印刷技術を解説します~。

●質問

最近、新しい印刷機を導入したら、いろいろな資材屋さんから、
ブランケットの試供品を頂きました。いろいろ頂いたので、
テストするだけでも大変なのですが、今のところ、印刷機メーカーの
純正指定のものを使用しています。

今後、テストしながら、良い物を見付けて行こうと思っているのですが、
どのようなテストをして、どのような観点で評価して行ったら良いか
アドバイスを頂ければ幸いです。

●回答

我々、印刷オペレータにとって、資材選びって言うのは、とても大切な仕事の一つ
だと考えています。我々は、本当にたくさんの資材を使いますよね。例えば、
紙、インキ、エッチ液、ブランケット、各種洗浄剤やローラーとかね。

資材を選択する上での条件やら制限やら、各社各様の事情が有る事と思いますが、
その事情の中で、最も最適な物を選択するのが、我々の仕事なんですよね。
また、ある時は、その事情を打ち破ってでも、選択した方が良い事もあるかと・・・。

資材の選択を誤ると、これは、悲惨な結果を招く事があります。
しかしながら、その現状を、悲惨な状態なのかどうかが分からないまま、
その資材を使い続けている。と言う状況も多々有るのが現実です。

例えば、エッチ液。ウチは昔からコレを使ってるから。と言う理由だけで、
25年も前に作られたエッチ液を使い続けている工場がありました。
その工場に、最新タイプのエッチ液を紹介し、使い方の指導をしたところ、
次の日からの印刷が、メチャメチャ楽に成った!と喜んでいました。

使い慣れた物が、一番、安心だし、楽かも知れません。しかしながら、
あらゆる資材が、目覚ましい進化をしています。その一つ一つをテストする
ってのは、こりゃ無理ですが、常に目を向けて行く事が大切だと思います。

ただね、印刷現場って言うのは、それぞれに環境が違うし、機械も違うし、
印刷する物も違います。なので、A印刷工場で絶大な評価を受けた資材でも、
B印刷工場では、さんざん酷評された。と言う事も多々有ります。

必ず自分で評価する事が大切です。そして、自分自身の評価基準をシッカリと
持つ事が大切なんですよ。良いか悪いかは、自分で決めるって事ですね。

ブランケットにしても、エッチ液にしても、新しい物をテストする時には、
常に同じ銘柄の、同じ厚みの紙を使って、いつも同じ絵柄を刷って試したいですね。
私の場合は、紅で、70%の総平網を刷って、その刷り易さ、網点の再現性、着肉性、
目などのトラブルが出ないか?なんて事を重点的にチェックしています。

70%の総平網って、刷ってみると、いろんな事が分かるんですが、これも慣れないと
なかなか評価が出来ないかも知れません。なので、普通にテストで評価をするならば、
常日頃から、自分が一番イヤだと思っている物を刷るのが良いかと思います。

イヤな物、刷り辛い物って、いつも苦労して刷ってるから、良し悪しが非常に
分かりやすいんですよ。ブランケットを替えただけで、そのイヤな物が、少しでも
楽に刷れるように成ると、「オオッ!」ってな感じで実感が出来るってワケです。

面倒かも知れませんが、資材選びは、我々オペレータの重要な仕事の一つだと
思って、頑張って取り組んでやって下さい。