印刷Q&A 手際の良さ | 1級技能士・成田の印刷技術

1級技能士・成田の印刷技術

1級技能士・成田が、オフセット印刷技術を解説します~。

●質問

先日、選挙ポスター(ユポ使用)で、
地汚れが止まらなく成ってしまいました。
湿し水を多くすれば、濃度が出なく成ってしまうし、
インキを盛れば、地汚れが出てしまうし。
何か良い方法はありませんか?

●回答

油性で普通のユポを刷る場合には、ユポ用インキってのを使いますよね。
このユポ用インキってやつ、とっても刷り辛いですよねぇ~。
それに、ローラー上とかでも、乾いてしまいやすいのですわ。

印刷ってね、チンタラのんびりやってると、うまく行かない事が多いです。
特にユポ用インキのように、短い時間でも、ローラーやブラン上で
乾燥が始まってしまうような物は、考えるヒマもなく、さっさと
作業を進めて、さっさと刷り終えてしまうのが、一番のコツなんですよ。

インキって、流動性のある液体ですよね。
しかも、瞬時に固形化して乾燥しなければ成らないと言う絶対的な、
使命を持っている非常に難しい液体なのですよ。

そして、そのインキと共に、絵柄を形成して行くのが、湿し水と言う、
これまた難しい液体なんですよね~。
二つの液体を制御しながら、製品を作って行くってのが、
我々、オフセット印刷オペレータの仕事なのですわ~。

不安定な、2種類の液体が相手ですから、チンタラ時間を掛けてると、
どんどん状況が変わって行ってしまうんですね。

無駄な間を置かずに、手際良く、どんどん作業を進行させて行く
ってのが、オフセット印刷の極意中の極意だと思います。

機械を止めての、確認や調整の時間を長く取ってしまうと、
地汚れが発生するヒマを与えてしまうんですね。

作業のスピードをアップすること。さっさと印刷を終わること。
無駄な停止時間を、出来るだけ最小限に食い止めること。

そんな点に注意しながら、取り組んでみて下さい。
そうすると、簡単に良い物を刷る事が出来るように成ると思います。

ユポだけじゃなく、日頃の普通紙の時でも、出来るだけ手際よく
作業を進行するように心掛けてみて下さい。
そうすると、意外なくらいに、楽に刷れるように成りますよ!