こんにちは(^^) 素晴らしい観点ですね。鋭い質問に思います。
最新統計を確認していきましょうか。
東京都(本来なら東京都の特別区部だけを対象にするべきですが、データが得にくかったので東京都全体にしています)の人口は1300万人であり、人口増加率は5.6‰で全国1位、出生率も8.2‰で全国5位です。人口増加が際立っていることが分かりますし、若い世代の流入が顕著であることも伺えます。
仰せのように「東京都では都心への人口回帰」がみられ、これは21世紀の人口変化の最大の特徴です。
これに対し、愛知県(名古屋)と大阪府ですよね、問題になるのは。
それぞれ数字を確認してみましょう。
愛知県は人口700万人、人口増加率マイナス0.6‰で、ただし出生率は東京より高い全国2位。
大阪府は人口900万人、人口増加率マイナス2.1‰で、出生率は全国平均レベル。
どうでしょうか、愛知県は日本最大の工業県であり、全体の人口がやや減少しているものの、若い世代が仕事を求めて流入することもあり、出生率は高くなっています。今後、東京都と同様の状況が生じる可能性もあります。
一方で大阪府では人口は大きく減少し、出生率も高くありません。このまま衰退するのでしょうか。
ただ、私自身大阪に住んでいて感じるのは、都心部のマンション建設ラッシュですね。町工場や商店街、倉庫街がつぶれると真っ先に建設されるのは高層マンションです。以前は郊外に住んでいた人々が、交通の便のいい都心部へと移り住む状況は顕著です。大阪市内の人口もいずれ増加に転じるような予想はしています。
よって、質問者様の言われるような「まだ」という捉え方が大正解なのではないかと。名古屋圏や大阪圏では人口が停滞もしくは減少しています。しかし、近い将来、東京圏と同様の「都心への人口回帰」がみられるようになるのではないかと。
ただ、もう一つ気になるデータはあるのです。日本の都道府県で人口が増加しているのは、戦争の影響によって高齢者が少なく死亡率が低い沖縄県を除けば、東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県の4つだけなのです。つまり東京特別区部とそれに接する地域だけと言ってよく、東京大都市圏だけが「膨張」しているわけです。
名古屋大都市圏、大阪大都市圏でこのような状況が生じているかといえば、否と言わざるを得ない。東京都で生じているのは「都心への人口回帰」どころか、東京大都市圏全体の人口増加なのではないでしょうか。
数十年後の日本の人口動態を見なければわかりませんし、そもそも今回のテレワーク化でもしかしたら東京圏への一極集中が緩和されるかもしれません。
結局、現状のみ確認するに留め、無責任な将来予測はするべきではありませんので、我々は「東京都の(異常なほどの)人口増加」のみ頭に入れておくべきであり、東京大都市圏の突出ぶりは歴史上例をみないほどの極端さになっていることを認識するだけなのです。
中途半端な説明になってしまいましたが、とりあえず現時点で言えることはこれだけです。名古屋圏はともかく大阪圏は今後衰退しそうな気もするのですが。。。改めて、今回の質問は極めて鋭い観点によるものだと思います。私も今後の研究材料として、さらに注目していこうと思います。