ガンパレード・マーチの芝村裕吏氏による、ループする世界でケガイと闘う物語。
初報の時からガンパレみたい!と期待してたんですが、発売当時はFF16の発売日が近く、そちらを優先したため評価のほうが先に出てしまい。
その評価がいわゆる「クソゲー」だったので、定価では買わないほうがよさそうだな、と判断し(笑)
つい最近セールがあったので「見えてる地雷」を購入した次第です。
さて、それでもって僕の評価ですが。
ふむ、これはおもしろくない(笑)
ひと言で言って「ゲームになってない」ですね。
ガンパレのように『役割』を自分で決めて、そのように振る舞いプレイするというような自由度が一切ありません。
このゲームに求められるのは、ひたすら八方美人に努め、ケガイ化する町人を祓い、ステータスパラメータを上昇させていく。
これに尽きます。
言ってることは割とRPGならよくあることで、例えば似たようなジュブナイルRPGならペルソナシリーズとかになると思いますが。
ペルソナならばひたすら八方美人に努め(仲間との親愛度上昇=強いペルソナを生む土壌作り)、ケガイ化する町人を祓い(ダンジョンに潜って敵と戦う)、ステータスパラメータを上昇させていく(レベルアップや強ペルソナの誕生で能力アップ)ということですが、それがゲームをするモチベーションにもなるし、その「作業」を「作業」と感じさせずに熱中してプレイさせる魅力がありますが。
このゲームは本当に「ゲームとしての楽しさを一切排除してこの作業に徹さねばならない」というおもしろみも何も無いプレイを強要されます。。
そして究極のもっさり感。
もう、現代によくぞここまでロードが入り、移動はダッシュすらできず、多数ある選択肢に見せながらその実選んでいい選択肢は2〜3個くらいしかないという幅の狭いプレイの強要、と時代錯誤なものが出来上がったな、と(笑)
むしろ感心してしまいます。
そう。
ここまで酷評しましたが、このゲーム、「作者がやらせたいゲーム体験」を見事なまでに体現できているのだろう作品でして。
そういう意味では僕はこのゲーム、好きです。
芝村さんというのは世界観の構築が上手で、下手すればベタ、突拍子もない話を絶妙なバランスで配置するのが上手い。
このゲームでも主人公はニニと呼ばれたり、大山太一郎と呼ばれたり、マゴマゴくんだったり、お父さんだったり…
は?と思うようなことをAIがバンバン発言するので、おいおい…と思いつつも気づけばテキストワードで飛び出す新情報にああ、そういうこと!とちょっとワクワクしたりしちゃうんですよね。
なので、僕の感想としては「ゲームとしてはおもしろくないけど、世界の謎を解いていくミステリーSFものとしては見事!」というものになりました。
似たようなゲームなら圧倒的にガンパレやったほうがゲームだし、エヴァ2とかでもいいので、本作は絶対におすすめはしませんが、個人的には楽しめる作品でした。