最大多数の最大幸福 | AKB48、とある地方ファンの呟き

AKB48、とある地方ファンの呟き

とあるきっかけからAKB48のファンになりました。地方ファンの立場からいろいろと思ったことを綴っていきます。

予期していたことですが、東京ドームコンサートのチケットの売れ行きが思わしくなさそうです。
(現在4次販売中ですね)

開催まで1週間を切ったのに未だに完売していないのはさすがにいかがなものかと思いますが、突き詰めて考えてみればそうなっても仕方ない部分もあります。

まずは日程、今回は月~水という平日開催。学生さんにとっては夏休み期間かもしれませんが、大半の人にとって平日のイベントはハードルが高い。しかもお盆休み明けというタイミングで、そうそう休めるものでもないです。
自分も多分に漏れずがっつり仕事です。というかお盆休みすらない職場なので、世間の感覚とどこかズレがあります(笑)。

もうひとつは会場の問題、キャパシティー的には十分ですが、席によってはまともにメンバーも見ることすらできず、昨年自分が行った時は2階スタンドの上段(いわゆる天空席というやつ)で大型スクリーンですら双眼鏡でやっと観れる程度、ステージ上のメンバーは目視で確認するのはほぼ不可能な状態でした。大型コンサートの雰囲気は味わいましたが、8,000円超のチケットでこれはちょっと・・・と思いました。最後の”あれ”がなければ大いに不満が残ってたに違いないです。

さらに言うのであれば出演者の問題、これはここ数年感じていることですが、グループ総出演というのは聞こえはいいのですが、人数が多い分必然的に一人一人の出演時間は少なくなります。選抜メンバーであれば出番も多いですが、そうでないメンバーの中には1曲、2曲しか出ない場合もあります。中には遠方からはるばる好きなメンバーの勇姿を観るために来ても、1曲、2曲しか出ないというのは寂しいものです。
これは個人的な想像ですが、いわゆる箱推し、グループ推しの人は今は少数派で、ほとんどの人は特定のメンバーしか興味がないような気がします。古くはチームAとチームKのファン同士の争いだったり、最近だと総選挙というファン同士を煽って競わせるイベントの弊害だと思われますが、自分の応援するメンバーを持ち上げるためにライバルとなるメンバーを卑下するような人が多いような気がします。劇場公演やコンサートでも自分の好きなメンバーにはコールをするが興味のないメンバーには反応しないなんていうこともあるみたいです。

今年、AKB48が久々に全国ツアーを再開して盛況に終わったのは記憶が新しいですが、SKE48やNMB48、HKT48もホールクラスでの単独コンサートを行い、それぞれのファンからの軒並み評価も高かったようですし、だからこそ全グループ合同でのコンサートにどれほどの需要があるのかと思いましたが、今回のドームコンサートのチケットの売れ行きを見ると、答えは出つつあるように感じます。
今年は既に3月に国立競技場、6月に味の素スタジアムで合同コンサートを行っています。それ以外に4月にさいたまスーパーアリーナでリクエストアワーを行っています。
何年かAKB48を観て来て至った結論ですが、大規模コンサートは向いていない、これはあくまで主観ですが、AKB48の魅力が一番伝わるのはやはり劇場公演です。もっとも劇場はご存知のように倍率も高くなかなか入れるものでもありません、でも機会があればぜひ観て欲しいです。世界観が変わると言っても過言ではないです。現場に行くのが無理ならオンデマンドの配信でも代替えにはなります。他のアーティストなら話は別になるかもしれませんが、アイドルとしてのAKB48の醍醐味を味わうのであれば劇場公演に勝るものはないです。
コンサートの場合、会場が広ければ広い程ステージ間を移動するのに無駄な動きが増え、その分ダンスの制約されてしまいます。アリーナの前の人はいいですが、後ろの人はまともに見ることもできず、同じ料金を払っているのに不公平感だけが残る結果となります。

大きくてもTDCや武道館クラスまでで、それ以上の大きな会場だとメリットよりもデメリットの方が大きくなるような気がします。ましてドームコンサートとなると席による格差は天と地ほどの違いがあります。それも運だと言ってしまえばそれまでですが、最後方でもメンバーの表情がはっきり見える劇場と比較すると、どちらが満足度が高いかは聞くまでもないことです。

運営の考えとしては大きな会場で十分なキャパシティーがあること、いろんなグループのいろんなメンバーが一同に会して楽しめるからファンは喜んでくれるだろうという意図で計画したと考えられますが、果たしてそれが本当にファンにとって幸せなことなのかという疑問が湧きます。
各グループの単独コンサートが好評だったという結果は、当然織り込み済みだと思いますし、ドームコンサート自体が以前から決定事項だったのかもしれませんが、ファンが何を望んで、何を望んでいないかということに対して少し鈍感なところがあるのではと、失礼ながらそう思った次第です。それをはっきり感じたのが昨年秋のドラフト会議からでしょうか。それまでの研究生制度の在り方を文字通り打ち壊すドラフトは当時かなり反感がありましたし、自分もこのブログで反論した記憶があります。運営の意図がどうあれ、ドラフト生自体に恨みはないですし、劇場で頑張ってる子は素直に応援したくなります。
2月の大組閣と、4月に始まったペナントについては、もう散々書いたので今更ですが、ファンの意向を顧みようとしない運営の姿勢には強い憤りを覚えましたし、先月観たドキュメンタリー映画でその思いが再燃したのも記憶に新しいところです。

37thシングルの劇場盤の売り上げも思わしくないのが影響したのか、先週、開催された「夏祭り」も詳細が発表されたのが直前で、行き当たりばったりな感が否めませんでした。結果としては盛況に終わりましたが、いろいろ話を聞いていると、慣れないイベントで混乱があったり、肝心の握手に影響があったり手放しで喜べるようなものではないというのが遠目に観た印象です。メンバーの中には休憩時間を削って、ファンサービスに励んでいた子もいたみたいで、その姿勢は素晴らしいと思いますが、同時にこのグループはメンバーの皆さんの献身によって成り立っていることが改めて浮き彫りになったと思いました。

何かあった時は普通の会社であれば社長など、組織のトップに立つ人が矢面に立つべきですが、AKB48に至ってはそれは専らメンバーの役割になっています。「信頼して任せている」と言えば聞こえはいいですが、大人の不始末の尻拭いを子供にさせてるとも言えます。
総選挙の時に、各劇場の支配人が劇場で投票を促すために登壇していましたが、「こういう時だけ現金だな」とやや冷めた見方をしていました。

2011年の震災後もそうでしたが、5月の事件があって久々に再開した時の公演でも矢面に立ったのは総監督である高橋みなみさんでした。”総監督”という肩書きはあってもその名にふさわしい権限があるわけでもなく、責任だけは押し付けられるのは、昨今の労働者の現状を見ているようで同情を感じることもあります。
メンバーはそれぞれの夢があって、その夢へのステップとしてAKB48に加入しているわけですが、もちろん「有名になりたい」という単純な功名心もあるでしょうが、それ以外に「誰かのために役立ちたい」「人を喜ばせたい」という人間の本能的な要素が強く持ち合わせているのがアイドルに向いている人ではないかと思います。アイドルとして活動することは楽しい事ばかりでなく、辛いこともたくさんあると思います。ファンが見えるのはその一端に過ぎないですが、いろんな困難や挫折を味わいながらそれでもファンのために頑張っているメンバーには年齢や経験や知名度に関係なく敬意を持っていますし、自分はそういう彼女に対して何をしてあげられるのかというのを最近よく考えます。

「最大多数の最大幸福」というは、ジェレミーベンサムの言葉ですが、本来の言葉の意味はともかく、現在の政治や経済はその理念に基づいて成り立っていると考えます。一握りのごく限られた人が幸せになるのではなく、出来る限り多くの人でそれを共有できる社会にというのは、自分なりの解釈ですが、AKB48においてそれが一番実現できているのが劇場公演だと考えます。その理由としてまず公演自体が魅力的なコンテンツであること。実際に生で観れる人は少ないですが、オンデマンドで全国どこにいてもパソコンやスマホがあれば見ることができること。テレビは地域によって見られないところがありますし、映画も場所によっては片道何時間もかかることを考えると、家にいながら、東京に行かなくても同じタイミングで同じコンテンツを共有できる。TwitterやLINEのような即時性のあるツールとの親和性もあります。

先日、夏祭りに対しての苦言をこのブログでも書きましたが、住む場所によって生じる格差はある程度は仕方ないと思いつつ、さすがにそれが度を過ぎると愚痴のひとつもこぼしたくなるものです(笑)。
AKB48に限らずですが、地方在住者として強く訴えたいのは、コンテンツのライブ配信にもっと力を入れて欲しいということです。著作権の関係だったりその他大人の事情があって容易ではないのはわかります。15年ほど前はダイアルアップやISDN回線が主流でしたが、今は高速な光回線の普及も進み、環境としては十分整いつつあります。配信にかかる経費は、視聴者に対して課金すればいいと思いますし、有益で魅力的ななコンテンツであればお金は惜しまないのがファンというものです。AKB48のオンデマンドも2ヶ月ほど前からハイビジョンの配信が始まりました。(生配信のみでアーカイブはこれまで通りというのは改善して欲しいところですが)
前にも書きましたが、自分がAKB48にのめり込むきっかけとなったのはひかりTVでほぼ毎日放送していた劇場公演でした。残念ながらこちら
6月いっぱいでなくなってしまいましたが、テレビの歌番組やバラエティでしかAKB48を見たことのない人達にも劇場公演をぜひ観て欲しい。さらに言えば、劇場で頑張っているメンバーにもっと注目して欲しいです。昔からそうですが、運営がスポットライトを当てるのはごく一部のメンバーだけで、その他大勢のメンバーは埋もれてしまっているのが現実です。常々思うことですが、個性的で魅力的なのに光が当たらず隅に追いやられているメンバーを見ていると、何ともやり切れない気持ちになりますし、勿体ないなと思います。ドラフト生だったりチーム8だったり、次々と人数を増やすのもいいのですが、その分、元からいるメンバーが蔑ろにされていないかという心配が常につきまといます。
人気稼業ですし、甘ったれた考えかもしれませんが、せっかく芽吹こうとしてる新芽を摘み取るようなことをしていないのか。次世代と盛んにいいつつ、実際のところ育成というのをどこまで真剣に考えているのか、これもあくまで個人的な見方ですが、ちょっと節操がないかなと、人を育てるというのはある意味忍耐が必要ですし、1人前になるにはそれなりに時間がかかります。AKB48自体、ブレイクするまで何年も下積みがあったということを忘れている人が多いような気がします。「ピークは過ぎた」という言われつつCDの売り上げが横ばいであり人気も安定しているに見えたのは、それまで積み上げて来た貯金があって、それを切り崩しながら持ちこたえてたというは言い過ぎかもしれませんが、そう思わざるを得ないのが最近のAKB48を見てて強く感じることです。

メンバーの皆さんは公演がなくても連日リハや撮影で休む暇もないくらいですね。同年代の子は、夏休みで遊び廻っているだろうに、仕事とはいえ、本来楽しめる時間を犠牲にしているわけですから、時には羽を伸ばして遊ばせてあげたい(もちろん健全な意味での遊びですが)、ディスニーへ行ったり、プールやバーベキューだったり、時には楽しむことも気分転換になるし、リフレッシュのためにはそういう時間も大事だと思います。仕事、仕事だと気が滅入りますので(笑)。ただメリハリはきちんとつけるのとアイドルとしての自覚ある行動(これ以上はあえて言いませんが)を心がけて欲しいです。
今、甲子園で高校野球の真っ最中ですが、どんな分野であれ、一生懸命ひとつの物事に専念するというのは、それだけで人の心を動かす力があるし、目的もなく怠惰で無為に過ごしている同世代の子と比較しても、青春という一生に一度しかない貴重な時間を費やし、ファンのために頑張っているメンバーの皆さんは年下であっても素直にすごいなと思います。「職業に貴賎なし」とは言いますが、アイドルは多くの人を喜ばせ、幸せな気持ちにさせることができる素晴らしい仕事です。もし「何の為にやっているだろう」と思っているメンバーがいるのであれば、その子に対して自らの活動に対して誇りを持ってもらいたいし、「あなたの活動を見守り応援し、あなたに勇気づけられている人はきっといる」ということを言ってあげたいです。メンバーを己の自我を満たすための道具としか見ていないファン(とすら呼べない)もいますが、真摯な気持ちで応援しているファンも少なからずいると信じています。

何が言いたいのか自分でもわからなくなってきたのでこの辺りで終わりにしますが(笑)、今も変わらずAKB48のことは好きですし、メンバーの皆さんからは日々活力を貰っています。その恩返しといえば格好付けかもしれませんが、自分にできる範囲でこれからも彼女たちの応援を続けるつもりですし、好きだからこそ思ったことは言葉にして、このブログなどに綴っていこうかと思います。