はい、どーも!井上です!

 

 

関西を中心に精神医かつ産業医しています!

 

 

ラフな人生をめざしていきましょう(^^)

 

 

 

医師として活動していると

 

『困っている人を助けるなんて

 

とても素敵な仕事ですね。』

 

と言われることも

 

珍しい話ではありません。

 

 

 

 

たしかに

 

心あたたまる

 

嬉しいお声なのですが

 

 

実際には

 

助けを求める人の期待に

 

全然答えられていない事を

 

重々分かっているからこそ

 

その言葉を素直に

 

受け取れないときもあります。

 

 

 

 

特殊なケースを除き

 

医師という仕事は

 

困っている人が

 

『助けてください』

 

と声をあげることが

 

前提となっています。

 

 

 

 

ただ

 

世の中には

 

困っているのに

 

『助けてください』を

 

言わない人、言えない人も

 

たくさんおられます。

 

 

 

 

そのなかでも

 

”ひきこもり”と言われる人は

 

その対象になりやすいです。

 

 

 

 

そもそも

 

引きこもりの実態は

 

下記の記事でも伝えた通りで

 

まだまだ勘違いされやすいです。

 

 

 

 

 

ひきこもりの人は

 

”一歩も自分の部屋からは出てこない”

 

と思ってる人も

 

まだまだ多くいますが

 

それはまったく違います。

 

 

 

 

さらには

 

不登校などの学校生活での

 

つまづきが原因になって

 

ひきこもりが開始していると

 

思われていますが

 

これも多くのケースで違います。

 

 

 

 

働く意欲はあったけれど

 

・職場で馴染めなかった

 

・就活が上手くいかなかった

 

などのきっかけによって

 

ひきこもりになるほうが

 

圧倒的に多いのです。

 

 

 

 

そこで今回は

 

このようなひきこもりの人が

 

どうして

 

自ら支援を求めなかったり

 

自ら支援を断ってしまうのか

 

についてお話ししたいと思います。

 

 

 

 

 

 

引きこもりの人の

 

特徴として

 

働いていないことに

 

負い目をもっている人は

 

かなり多いと言っていいでしょう。

 

 

 

 

働いている人が作っている

 

狭い意味での”社会”を

 

とても巨大なものに

 

捉えているのです。

 

 

 

 

この社会で

 

異質なものと思われないために

 

昼間にコンビニ行くときだけ

 

わざわざスーツなどに

 

着替えるような人もいます。

 

 

 

 

このような人達の多くは

 

さきほどお伝えしたように

 

社会に出ようとしたり

 

実際に出た結果として

 

心に傷を負った人たちです。

 

 

 

 

自分がはじき出された

 

巨大に感じる”社会”から

 

距離をとることで

 

心の安定を取り戻すために

 

自宅で過ごしているのです。

 

 

 

 

しかし

 

その生活スタイルには

 

周りからは

 

なかなか理解されません。

 

 

 

 

一緒に住んでいる親からは

 

『いつまでそんなことしてる!』

 

『はやく働けにいけ!』

 

と言われ続けるのです。

 

 

 

 

もちろん

 

それができたら

 

すぐに取り掛かっているでしょう。

 

 

 

 

自分でも

 

『実際にこのままではいけない…』

 

『実際に親に迷惑をかけている』

 

ということを分かっているものの

 

自分をはじき出した社会に

 

また戻る一歩が踏み出す勇気がでず

 

葛藤して悩み苦しんでいるのです。

 

 

 

 

すると

 

どんどん

 

情けなさや申し訳なさなどで

 

罪悪感ばかりが肥大します。

 

 

 

 

『みんなに迷惑をかけている』

 

『社会に自分は必要のない存在』

 

というような思考になり

 

助かる意欲や生きる意欲

 

どんどん削がれてしまうのです。

 

 

 

 

周りから支援の手を

 

差しのべられても

  

・社会から助けてもらうこと

 

・自分に税金が使われること

 

などが、とても受け入れがたく

 

医療を含めた公的なサービスに

 

拒否的な態度だったりします。

 

 

 

 

この時点では

 

『そこまでして生きたくない』

 

という気持ちが

 

かなり大きくなっているのです。

 

 

 

 

 

 

それでも

 

日本の医療や福祉は

 

捨てたものではなく

 

このような方々を

 

支援しようと思う専門家は存在します。

 

 

 

 

私自身も

 

精神科医として

 

それらに支援チームの一員として

 

参加することもあります。

 

 

 

 

ただ

 

このときに

 

注意をしたいのは

 

ゴールが就労に

 

なりがちなところです。

 

 

 

 

支援者は良かれと思って

 

『いかに就労につなげるか』

 

という視点で

 

最初から支援のステップを

 

作ろうとしてしまいます。

 

 

 

 

たしかに

 

本人が自分で生活費を稼いで

 

自立することは素敵なことですが

 

働くことに対して

 

恐怖や不安、トラウマがある時に

 

無理に就労まで

 

考えなくても構わないのです。

 

 

 

 

それよりも

 

ひきこもりながらでも

 

細くてもいいので

 

外の社会や人との接点を

 

持ち続けることが大切なのです。

 

 

 

 

最初のうちなんてのは

 

だれかが

 

『生きてるだけでいいからね』

 

というメッセージを

 

本人に伝え続けるほうが大切なのです。

 

 

 

 

そのような形で

 

つながり続けたときに

 

ふとした瞬間に、本人から

 

『もう少し他人とつながってみたいな』

 

『ちょっとだけでも働いてみたいかも』

 

のような関心が湧くことがあります。

 

 

 

 

支援者は

 

その時期がくるまで

 

本人の存在を肯定し続けることが

 

支援そのものになるのです。

 

 

 

 

 

 

では、今日のおさらいです。

 

 

 

今回は

 

ひきこもりの人がどうして

 

自ら支援を求めなかったり

 

自ら支援を断ってしまうのか

 

についてお話ししました。

 

 

 

 

もしかしたら

 

ひきこもりは

 

あなた自身には

 

関係ない話かもしれません。

 

 

 

 

ただ

 

自分ではなくても

 

自分の大切な人が

 

そうなる可能性はあります。

 

 

 

 

当事者のなかには

 

社会のお荷物になるくらいなら

 

”もうこのままでいいんだ”

 

と思っている人もいます。

 

 

 

 

しかしそれは

 

生きる意欲の消失であり

 

心身のケアやメンテナンスにも

 

興味を持つことが出来ずに

 

どんどん支援から遠ざかります。

 

 

 

 

そんな時に

 

最初から無理に手を引っ張って

 

『よし!仕事してみようよ!』

 

と振り向かせるのは

 

ほぼほぼ意味をなさないでしょう。

 

 

 

 

それよりも

 

『生きてるだけでいいからね』

 

という声かけを続けるほうが

 

今まで社会で受けた

 

辛かった経験によってできた傷口に

 

スッと染み込んでいくのです。

 

 

 

では、今日はこのへんで!

 

See You Next Time Bye-Bye!!