はい、どーも!井上です!

 

 

関西を中心に精神医かつ産業医しています!

 

 

ラフな人生をめざしていきましょう(^^)

 

 

 

 

心に傷をおうキッカケは

 

多種多様にありますね。

 

 

 

 

たしかに

 

産業医という立場上では

 

”職場でのあれこれ”

 

扱うことも多いのです。

 

 

 

 

しかし

 

精神科医としての立場では

 

職場以外の家庭内をはじめ

 

なかなか第三者がタッチできない場面で

 

心に大きな傷をおわされる人もいます。

 

 

 

 

それが家庭内で


配偶者から受けるモラハラ

 

キッカケであるケースは

 

割と少なくありません。

 

 

 

 

その件数などは

 

過去の記事を参考にしてください。

 

 

 

 

モラハラの被害をうけていると

 

自宅にいるにもかかわらず

 

常に緊張感が高くビクビクして

 

睡眠障害や強い不安、動悸など

 

色々な症状が現れてきます。

 

 

 

 

これらの症状を改善する目的で

 

病院にやってこられるのです。

 

 

 

 

では

 

そのような人に向けて

 

精神科医はどのようなことが

 

できるのかについて

 

お話ししたいと思います。

 

 

 

 

 

 

おそらく多くの人が

 

睡眠障害や極度の緊張などの症状を

 

薬をつかって改善させていくこと

 

思いつくかもしれません。

 

 

 

 

しかし残念ながら

 

薬の効果によって

 

改善するかは不明です。

 

 

 

 

そもそも

 

家庭内のモラハラを受ける環境が

 

変わらないことには

 

その症状が出続けるのは

 

誰からみても明らかなことです。

 

 

 

 

なので

 

薬で症状を抑えるのは

 

どこまで意義があるかは

 

その症状で日常生活が

 

どこまで弊害を受けているかによって

 

違ってくるでしょう。

 

 

 

 

つまり

 

薬の効果による

 

症状のコントロールは

 

根本解決になっていないので

 

最初から行わないケースもあります。

 

 

 

 

では

 

結局のところ

 

精神科医ができることは

 

何もないのでしょうか。

 

 

 

 

このような時には

 

ほとんどの医療従事者から

 

モラハラ被害者には

 

『逃げることが根本治療』だと

 

お伝えすることになるでしょう。

 

 

 

 

そもそも

 

病院に来るくらいの症状ですから

 

そのずっとずっと前には…

 

モラハラ配偶者とは対話を重ねて

 

何も変わらなったケースなのです。

 

 

 

 

つまり

 

今までモラハラ配偶者の態度を

 

がんばって変えようとしても

 

ダメだったわけなので

 

もう逃げるしか選択肢がないのです。

 

 

 

 

だから

 

『その家庭の環境から

 

逃げることをお勧めします』

 

と伝えることが多くなります。

 

 

 

 

ただ

 

『逃げる』となると

 

離婚という話になるでしょう。

 

 

 

 

思い切って覚悟を決めて

 

その選択肢を選んでも

 

相手がすんなりと

 

受け入れてくれることも少なく…

 

 

法廷で戦うとなっても

 

かなり長期戦になるので


結局、諦める人もいます。

 

 

 

 

さらに

 

現実的な問題として

 

・経済的な問題であったり…

 

・子供の問題であったり…

 

・離婚を切り出す勇気が出なかったり…

 

なかなか離婚の覚悟を

 

決めれない人もたくさんいます。

 

 

 

 

そうなってくると

 

いよいよ精神科医として

 

何もできないのでしょうか。

 

 

 

 

『離婚もしないんだったら

 

医療としては出来ることはないし

 

もう受診は無しでもいいですよ』

 

という流れになるのでしょうか。

 

 

 

 

残されたできることとして…

 

そのような人には

 

”話をする場”を提供すること


があるのです。 

 

 

 

 

モラハラ配偶者というのは

 

外面はかなりいい人なので

 

被害者が周りの知人などに相談しても

 

『優しい人じゃない』

 

『だれでも夫婦ケンカくらいあるよ』

 

のように自分の辛さを

 

理解してもらえないのです。

 

 

 

 

この状況が続くと

 

『どうせ周りに相談しても

 

誰も分かってくれない』

 

のようにずっと1人で抱え込み

 

吐き出す場所がなくなるのです。

 

 

 

 

診察という形であったり

 

院内のカウンセリングだったりで

 

地域の患者会を紹介したり

 

その辛さを吐き出す場所くらいは

 

提供したりお知らせることは

 

出来るのではないでしょうか。

 

 

 

 

もちろん

 

話を聞いているだけで

 

家庭内の環境が

 

解決するわけではありません。

 

 

 

 

しかし

 

その辛さが 5% くらい減るだけでも

 

心のコップの水があふれないなら

 

辛さを吐き出し続ける価値は

 

十分にあるはずです。

 

 

 

 

 

 

では、今日のおさらいです。

 

 

 

今回はモラハラの被害で

 

心に大きな傷をおう人に

 

精神科医ができることについて

 

お話しさせていただきました。

 

 

 

 

大局観でみたら

 

”何もしていない”

 

と思われるかもしれません。

 

 

 

 

もちろん

 

症状のコントロールも大切ですが

 

辛さを吐き出す場所の提供や案内

 

かなり大切な役割になってきます。

 

 

 

 

たしかに

 

それだけ本人の辛さが

 

0になることはありません。

 

 

 

 

しかし、興味深いことに

 

長い時間をかけて

 

辛さを誰かに聞いてもらったり等の

 

心のケアをしながら耐え続けていると…

 

 

・子供が成人するタイミングだったり

 

・旦那さんの転勤のタイミングだったり

 

・より深い理解者が現れるタイミングだったり

 

 

なにかのタイミングで

 

『やっぱり離婚しようかと思います』

 

と覚悟を決めれる人もいます。

 

 

 

 

ある意味で

 

そのような日が来るまで

 

コップから水があふれないように

 

こころのサポートをすることが

 

精神科医のできることではないでしょうか。

 

 

 

では、今日はこのへんで!

 

 

See You Next Time Bye-Bye!!

 

 

【今日の参考記事】

 

 

 

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