はい、どーも!井上です!

 

 

関西を中心に精神科医かつ産業医しています!

 

 

ラフな人生をめざしていきましょう(^^)

 

 

 

 

 

精神科医や産業医として活動していると

 

耳を疑うようなケースに

 

遭遇することも多々あります。

 

 

 

 

今回は家庭内でおきる

 

DV(ドメスティック バイオレンス)

 

について、お話をしたいと思います。

 

 

 

 

この記事では

 

暴力的な表現は

 

ほとんど使っていませんが

 

過去に、このような経験で苦しんだ人は

 

その当時のことが

 

フラッシュバックする可能性もあるので

 

記事を読まない選択肢もありですので

 

そのあたりは注意してください。

 

 

 

 

 

 

 

まず

 

”家庭”と聞いてイメージするのは

 

普通は”自分の家庭”だけでしょう。

 

 

 

 

なので、幸せなことに

 

今までDVなどに全く縁がない人からすれば

 

『えっ?!そんなDVなんてあるの?』

 

くらいに感じることもあるでしょう。

 

 

 

 

たしかに、このブログでも

 

親から子への心の傷については

 

よく話題として取り上げていますね。

 

 

 

 

しかし

 

このコロナ禍の影響もあって

 

夫婦や恋人が家の中で過ごす時間も

 

かなり増えてきた結果として

 

パートナー間でのDVの話はよく耳にします。

 

 

 

 

たしかに

 

モラハラという精神的なDVも

 

よく耳にはするかもしれませんが

 

残念ながら、まだまだ身体的なDVも

 

少なくないことは知って欲しいです。

 

 

 

 

そこで、今回は

 

このようなDVについての

 

データに基づいた現状と

 

疑問の多い『なぜ逃げないの?』について

 

お話したいと思います。

 

 

 

 

 

 

家庭というのは

 

会社とは違っており

 

かなり密閉空間なので

 

なかなか表沙汰にはなりません。

 

 

 

 

では

 

どれくらいのDVに関する

 

相談件数があるのでしょうか。

 

 

 

 

警察庁が発表しているデータを参考にすれば…

 

 

【配偶者からの暴力事案等の相談等状況】
 

令和2年: 82,643 件
 

 

 

 

おそらく

 

想像していたよりも

 

多いのではないでしょうか。

 

 

 

 

これは配偶者からの

 

精神的な攻撃は含まれず

 

<身体に対する暴力>または<生命等に対する脅迫>

 

の相談等を受理した件数です。

 

 

 

 

相談を受理した件数であるので

 

あくまでも氷山の一角だと思うと

 

とても胸が痛いですね。

 

 

 

 

ちなみに

 

令和2年のデータでは

被害者の性別の76.4%は女性です。

 

 

 

 

なので大半が

 

夫から妻に対する

 

身体的な暴力と考えていいでしょう。

 

 

 

 

このような実情があるなかで

 

なぜ妻はDV夫から

 

逃げ出さないのかについて

 

お話したいと思います。

 

 

 

 

もちろん

 

経済的な事情や子どもがいるから等の

 

理由もかなり大きいです。

 

 

 

 

しかし 、ここでは

 

心理面にスポットを当てて

 

お話したいと思います。

 

 

 

 

 

 

まず、DVには

 

3つの場面があります。

 

 

①緊張期 ②爆発期 ③ハネムーン期

 

 

 

 

この3つの場面が

 

① ⇒ ② ⇒ ③ ⇒ ①⇒ ② ⇒…

 

のように延々と繰り返されるのです。

 

 

 

 

ここで

 

1つずつの場面について

 

ラフに説明したいと思います。

 

 

 

 

①緊張期

 

 

 

この場面では

 

夫がかなりイライラして

 

モノに当たり始めたり

 

妻に威圧的な態度をとりはじめます。

 

 

 

 

すると、家庭内は

 

かなりピリピリした緊張した状況に

 

なってしまいますよね。

 

 

 

 

この時、妻としては

 

これ以上に夫が機嫌を損ねないように

 

気を使ったり、なだめたり

 

嫌々でも相手の要求をのんだりします。

 

 

 

 

しかし、残念ながら

 

ここでは完了することなく

 

②の場面に進んでしまいます。

 

 

 

 

②爆発期

 

 

 

いよいよ夫が

 

自分のイライラ等をコントロールできず

 

妻に暴力を振るってくる時期です。

 

 

 

 

妻としては

 

必死の抵抗もむなしく

 

なすすべなく

 

身体的な攻撃されています。

 

 

 

 

この時の

 

妻の精神状態については

 

あとで説明させて頂きます。

 

 

 

 

ちなみに

 

この時に妻が離婚や別居などを

 

口にしようものなら

 

攻撃がエスカレートすることが

 

分かっています。

 

 

 

 

そして

 

ある程度時間が経過すると

 

③の場面に以降します。

 

 

 

 

③ハネムーン期

 

 

 

この場面では

 

まるで別人のように夫が優しくなって

 

『全部、俺が悪かった。

 

もう絶対に暴力は振るわない。』

 

と本人から約束を口にしたりします。

 

 

 

 

時いは、大げさに土下座をしたり

 

誓約書を書いたりすることも

 

珍しい話ではありません。

 

 

 

 

さらには

 

『君がいないと、俺はダメなんだ…』

 

のように、甘い言葉も妻に伝えます。

 

 

 

 

傍から見てて、冷静に考えたら

 

この手の作戦には乗らないだろう…

 

と、考えると思います。

 

 

 

 

しかし、妻からすれば

 

この直前が爆発期の

 

恐怖を感じる身体的な暴力であったので

 

ちょっとした優しさであっても

 

それが大きなギャップに感じます。

 

 

 

 

すると

 

心が満たされることによった

 

『やっぱり、愛されているんだ…』

 

『きっと、心を入れ替えてくれる…』

 

のように安堵を感じてしまい

 

また夫と1から頑張ろうと思うのです。

 

 

 

 

しかし、残念ながら

 

そのまま時間が過ぎると

 

また①緊張期が始まってしまうのです。

 

 

 

 

 

 

たしかに

 

この①⇒②⇒③のサイクルが

 

初めてだったら、夫を信じたい気持ちも

 

分からなくはないですよね。

 

 

 

 

ただ、周りからみたら

 

なんで何度もこのサイクルを経験してて

 

特に命の危険まである

 

②爆発期に逃げださないか不思議だと思います。

 

 

 

 

じつは、これには

 

人間の学習性無力感

 

大きく関わっています。

 

 

 

 

この学習性無力感というのは

 

自分の行動が結果を伴わないことを

 

何度も経験していくうちに

 

やがて何をしても無意味だと感じる心理です。

 

 

 

この状態に陥ってしまうと

 

もしかしたら

 

結果を変えられるような場面でも

 

自分から行動を起こすことができません。

 

 

 

 

つまり、爆発期に

 

自分にとって明らかな理由も分からず

 

身体的な攻撃を受ける日々が続くと

 

妻は絶望して、感情の起伏もなくなり

 

全てを諦めてしまうようになります。

 

 

 

これがDVにおける

 

学習性無力感の怖さです。

 

 

 

 

 だからこそ

 

逃げることができなくなるのです。

 

 

 

 

今回の記事は

 

ディープで少し長くなってきたでの

 

ここで終わろうかと思います。

 

 

 

 

しかし、このような残酷な話が

 

あなたの身近に起きていることは

 

絶対に忘れてほしくありません。

 

 

 

 

そして

 

DV被害者の心理としては
 

”逃げない”のではなく”逃げれない”

 

ということを知ってください。

 

 

 

 

ちなみに、このブログでは

 

もし興味がある人がいそうであれば…

 

親子の関係で生まれる心の傷だけではなく

 

引き続きパートナー間での心の傷についても

 

お話できたらと思います。

 

 

 

では、今日はこのへんで!

 

 

See You Next Time Bye-Bye!!

 

 

【今日の参考記事】

 

 

 

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