はい、どーも!井上です!

 

 

関西を中心に精神医かつ産業医しています!

 

 

ラフな人生をめざしていきましょう(^^)

 

 

 

 

11月23日(火)は

 

勤労感謝の日ということで

 

祝日なのですね。

 

 

 

 

私の場合は

 

職業病の1つなのでしょうが

 

”勤労”という単語からは

 

あまりいいイメージを持てません。

 

 

 

 

というのも

 

精神科医や産業医は

 

”働く”ということがキッカケで

 

苦しい思いをされている人と

 

話をする機会が圧倒的に多いからです。

 

 

 

 

職場の人間関係などの問題点も

 

決して、少なくはないでしょうが

 

まだまだ、過労死の問題

 

取り上げられ方が薄いですね。

 

 

 

 

そこで今回は

 

なぜ人は過労死してしまうのかについて

 

お話しをしようと思います。

 

 

 

 

 

 

まず大雑把でいいので

 

過労死についてのデータを

 

お伝えさせていただきます。

 

 

 

 

毎年、労基署のほうに

 

『これは過労やストレスによる

 

労災における死亡や疾患だろ?!』

 

と申請されるのは2,000~3,000件あります。

 

 

 

 

ちなみに

 

この中でも死亡事故は

 

だいたい500件ほどです。

 

 

 

 

もちろん

 

申請しただけでは

 

労災と認められません。

 

 

 

 

そこから色々と調査・審議が入って

 

労災と認められるのは

 

毎年800件くらいであって

 

死亡事故に関しては200件ほどです。

 

 

 

 

つまり、遺族などから

 

『うちの子供の死亡は

 

過重労働のせいでしょうがぁ!!』

 

と、毎年500件の訴えがあるものの

 

因果関係が認められるのは約200件です。

 

 

 

 

この200件の過労死としては

 

脳卒中や心臓疾患による死亡もあれば

 

精神疾患からの自殺も含まれます。

 

 

 

 

この認定率をどのように

 

捉えるかは人それぞれなので

 

ここでは議論しません。

 

 

 

 

ただ、個人的には

 

この認定率以前の問題で

 

過労死や自殺に至る人の数自体が

 

氷山の一角であり

 

もっと数が多いと推定しています。

 

 

 

 

もしかしたら、あなたも

 

ある自殺が労災認定されたニュースを

 

見聞きした覚えがあるかと思います。

 

 

 

 

しかし

 

報道されるのは

 

大企業に関わるものであったり

 

被害者がとても若かったなどの

 

特徴があるケースばかりです。

 

 

 

 

さきほども

 

お話ししましたが

 

自殺だろうが


脳卒中だろうが、心臓疾患だろうが

 

国が認めただけでも

 

毎年200人は過労死しているのです。

 

 

 

単純計算ですが

 

これは2日に1人以上のペースです。

 

 

 

 

世の中には

 

『生きるために働いている人』

 

という人も少なくありません。

 

 

 

 

しかし

 

『働きすぎた結果、命を落とした』

 

なんて本末転倒も甚だしいことです。

 

 

 

 

ただ、過労死などから

 

縁が遠い人からすれば

 

『なんで早く仕事を辞めなかったの?』

 

と疑問に思う人もいるみたいです。

 

 

 

 

ここからは


その理由などをお話をさせて頂きます。

 

 

 

 

 

 

残業など、働き過ぎることによって

 

ほとんどの人の場合で

 

心身に極度の疲労があるにも関わらず

 

それを回復させるための睡眠時間が

 

どんどん奪われる生活になります。

 

 

 

 

それによって

 

心身が病に蝕まれます。

 

 

 

 

血圧が異常に上がったりなどの

 

身体的な疾患だけではなく

 

精神疾患の典型としてはうつ病です。

 

 

 

 

ここでは

 

うつ病の細かい症状は

 

省略させてもらいますが

 

物事を正常に判断する力が極端に落ちます。

 

 

 

 

つまり

 

今の状況が

 

仕事を辞めたり休んだり

 

しないと危険だという判断が

 

自分で出来なくなってしまうのです。

 

 

 

 

それよりも前に

 

心理的視野狭窄といって

 

考えられる思考の幅が極端に狭くなり

 

退職や休職の選択肢すら

 

頭に浮かばなくなることもあります。

 

 

 

 

すると

 

今のこの苦しい状況を改善するには

 

『もう死ぬしかないんだ…』

 

という発想しか出てこずに

 

実行に起こすようになりえるのです。

 

 

 

 

そして

 

その最悪の選択をする人は

 

遺書を残すことがありますが

 

その内容には


信じられないことが書かれています。

 

 

 

 

それは

 

会社に対する謝罪です。

 



・最後まで迷惑かけてごめんなさい

 

・役に立てずにすいませんでした

 

などが書かれているいます。

 

 

 

 

ここまで

 

心身がボロボロになるまで

 

会社で働かされているのに

 

・なぜ、会社に謝るのか?

 

・会社への恨みつらみじゃないのか?

 

と思う人もいることでしょう。

 

 

 

 

これが、うつ病における

 

自責の念の症状なのです。

 

 

 

 

周りからみたら

 

明らかに、そんなことないのに

 

何か悪いことが起これば

 

それは全て自分のせいだと考えてしまいます。

 

 

 

 

だから

 

最後の遺書には

 

謝罪の言葉でいっぱいなのです。

 

 

 

 

過重労働の向こう側には

 

このような危険があることを

 

十分に承知しておく必要があります。

 

 

 

 

 

 

では、今日のおさらいです。

 

 

 

勤労感謝の日という

 

せっかくの祝日ムードなのに

 

暗い話になって申し訳ありません。

 

 

 

 

ただ

 

日本における過労死の問題

 

問題が根深いわりには

 

あまり取り上げられずに

 

軽視されているところがあります。

 

 

 

 

『過労死になるほど働いていて

 

心身に変調を感じるなら

 

早めに病院に行った方がいい』

 

とアドバイスしたくなる人も


いるかと思います。

 

 

 

 

しかし

 

ほとんどの場合で

 

病院がやっている時間に

 

退社することもできません。

 

 

 

 

それだけ

 

過重労働をしていることは

 

なにか症状が出始めた時には

 

悪化の一途をたどるリスクが高いのです。

 

 

 

 

”残業”と聞くと

 

聞きなじみがありますので

 

重たく聞こえませんが…


 

実は、命に関わる内容だからこそ

 

本当に軽視しない方がいいです。

 

 

 

 

早めに辞めたに逃げたり休む勇気を。

 

 

 

命さえあれば

 

誰だって再スタートできますから。

 

 

 

では、今日はこのへんで!

 

 

See You Next Time Bye-Bye!!

 

 

【今日の参考記事】

 

 

 

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