はい、どーも!井上です!

 

 

関西を中心に精神科医かつ産業医しています!

 

 

ラフな人生をめざしていきましょう(^^)

 

 

 

 

人間というのは

 

まだ不老不死ではなく

 

誰にでも命には限界があります。

 

 

 

 

これは、悲しい話ではありますが

 

あなたは、いつか傍にいる人と

 

お別れする時がくるという意味です。

 

 

 

 

もちろん、あなたの友人が

 

そのような出来後に直面して

 

とても悲しむこともあるでしょう。

 

 

 

 

このように

 

大切な人やモノなどを失うことを


喪失体験といい

 


その体験による悲しいや辛いなどの

 

ネガティブな気持ちになることを


悲嘆反応といいます。

 

 

 

 

もちろん、精神科医は

 

この悲嘆反応に苦しむ人と

 

お会いする機会は少なくありません。

 

 

 

 

もし、あなたなら

 

このように苦しむ人に対して

 

どのように声をかけるでしょうか。

 

 

 

 

『時間が薬になるよ』のように

 

声をかける人も多いかと思います。

 

 

 

 

この声掛けが

 

間違っている訳ではありませんが

 

ただ、これは少し曖昧な言葉であり

 

喪失体験と時間の関係をもう少し知ったうえで

 

使っていきたい言葉ですね。

 

 

 

 

そこで、今回は

 

この喪失体験と時間の関係について

 

お話したいと思います。

 

 

 

 

 

 

たしかに

 

喪失体験を経験した時から

 

かなり長い期間において

 

悲しみなどの悲嘆反応の経過を見ると

 

時間とともに回復しているように見えるでしょう。

 

 

 

 

しかし

 

注意しなければいけないのは

 

時間とともに右肩上がりで

 

回復するわけではないことです。

 

 

 

 

短い期間で見た時には

 

3歩進んで2歩下がるような

 

時には…


3歩進んで4歩下がるようなことも

 

十分に起こりえるのです。

 

 

 

 

たとえば、記念日反応といって

 

命日やその故人との特別な記念日には

 

その人のことを思い出して

 

強い悲しみや辛さを感じてしまい

 

気分がドーンと落ち込むこともあります。

 

 

 

 

さらには、時間が進むことで

 

回復のスピードが遅くなる傾向もあります。

 

 

 

 

それは悲嘆反応による苦しみや悲しみを

 

誰かに相談したいと思っても

 

『いつまでクヨクヨしているんだ』

 

と、言われることを恐れてしまって

 

1人で抱え込むしかできなくなってしまうのです。

 

 

 

 

この時点でも

 

『時間が経てば、悲嘆反応が改善していくよ』

 

というのは、万人に当てはまらないのは

 

理解してもらえたと思います。

 

 

 

 

さらに、悲嘆反応と時間の関係で

 

喪失体験に至るまでに

 

心の準備をする時間があるかどうかで

 

どのように変わるかみてみましょう。

 

 

 

 

 

 

教科書的には、大切な人とは

 

お別れの仕方によっても

 

悲嘆反応の強さは違うと言われています。

 

 

 

 

なんとなくイメージができるかと思いますが

 

事故や災害などの予想だにしない突然のお別れ

 

遺された人の人生にも

 

かなり大きな影響を与えます。

 

 

 

 

とてつもなく大きな悲嘆反応が起こるのは

 

想像するのも難しくないでしょう。

 

 


(具体的に、このような時には

 

どんな心境になるかは過去記事を参照↓)

 

 

 

 

では、病気の進行などによって

 

『余命は、あと半年です』と宣言されて

 

ある程度、お別れ時期が予想できる時

 

そこまで大きな苦しみはないのでしょうか。

 

 

 

 

結論からいうと、まったく違います。

 

 

 

 

これは精神科医である

 

リンデマン先生が指摘しているように

 

この時から予期悲嘆という心の変化が働きます。

 

 

 

 

予期悲嘆というのは

 

余命をじわじわとカウントダウンして

 

患者さんが日に日に弱っていく姿を見るも

 

なかなか現実を受け入れることができずに

 

極度の心配や気分の落ち込みが出てくる反応です。

 

 

 

 

つまり

 

『今、目の前に起きている現実』

 

『まだ、生きて欲しいと願う感情』

 

かけ離れていけばいくほど混乱して

 

心のバランスが乱れてしまうのです。

 

 

 

 

なかには、このバランスがうまく取れず

 

残された大切な時間だと分かりつつも

 

患者さんと接することを拒否してしまう人もいます。

 

 

 

 

さらには、そのあとに

 

死別になってしまった時も

 

次の2つは注意しなければいけません。

 

 

 

 

1つ目としては

 

ある程度、お別れまでの時間があっても

 

いざ死別になった時は

 

心の準備が出来ている訳ではないことです。

 

 

 

 

たしかに、予期悲嘆には

 

死別までの心の準備の要素がありますが

 

常に間に合うわけではありません。

 

 

 

 

2つ目としては

 

予期悲嘆で十分に悲しんだからといって

 

いざと死別になった時は

 

悲しみが軽減されるわけではないということです。

 

 

 

 

人間が

 

喪失体験によって起こす悲嘆反応は

 

量が決まっているわけではありません。

 

 

 

 

予期悲嘆死別後の悲嘆

 

全く別のものであるので

 

 

『この時が来るのは分かっていたんだから…

 

そんなに悲しむなよ…』


のような声かけは

 

絶対にしないように注意してください。

 

 

 

 

 

 

では、今日のおさらいです。

 

 


今回は、喪失体験と時間の関係について

 

お話をさせてもらいました。




たしかに

 

かなり長期間で悲嘆反応の推移をみたら

 

改善していると言えるかも知れません。




しかし、短期間でみると

 

その悲しみや苦しみは揺れ動き

 

回復したと思ったらまた振り出しに戻り

 

嘆き悲しむことがあります。





たしかに、教科書的には

 

悲嘆反応のピークは6か月という表記を

 

見かけることも多いですが…


 

現場の人たちは、決して鵜呑みにはしておらず

 

個人によって大きく違うという意見で


概ね一致しています。




それよりも、『悲嘆反応は、○○までは続く』

 

のような期限を作ってしまうことで

 

遺族の人に対して

 

『それ以上は悲しまずに立ち直りなさい!』


というプレッシャーを与える可能性の方が高いです。





人によっては、心の中で故人と

 

一生の時間をかかけて

 

一緒に暮らしていく人もいるでしょう。




だからこそ

 

あなたの周りで喪失体験をした人がいれば

 

その体験はかなり長い時間かけて

 

心に影響を与えるものだと知っておきましょう。




それを知ったうえで

 

『時間が薬になるよ』と声をかけるのかは

 

あなたが決めてください。

 

 

 

 

喪失体験で苦しむ人が相手でも

 

あなたがアドバイスや励ましを

 

伝えければならない義務はありません。

 

 

 

 

その苦しみや悲しみに寄り添って

 

話を聞いてくれるあなたが傍にいるだけで

 

悲嘆反応を解消するのには


かなりの効果があることを

 

決して忘れないでくださいね ^^

 

 

 

では、今日はこのへんで!

 
 
See You Next Time Bye-Bye!!

 

 

=(大切なお知らせ… (*´ω`*) )=

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