白馬ゆき臨時特急しなの81号の旅① | しなのは走るよ♩♫どこまでも☆♩♫♬

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〜19:00更新〜

鉄道・旅行とポケモンGOのブログです。

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不定期更新となります。

よろしくお願いします。


みなさんこんにちは。

初めての方は初めまして。

電車のグリーン車に魅せられ、通算100回以上特急列車や新幹線のグリーン車を乗り潰したZelpher(ゼルファー)です。


今回の企画なんですが、長野県木曽福島駅から観光シーズンの休日限定で運行される

『臨時特急しなの81号』

に終点の白馬駅まで乗ってきたので、その模様を皆さんにお伝えします!

さあ行くぞ!



 この列車の面白い点


今回乗車する特急しなの81号なんですが、実は普通の臨時列車とは一味違う、すごく面白い点が2つあります!

①運行経路が定期列車と違う
②4両編成での運行


では、順番に解説していきます!


 ①運行経路が定期列車と違う

まず1つ目の点についてです。

次の図を見てください!


これは特急しなの号の運行経路の略図なんですが、定期列車のしなの号は名古屋駅長野駅を結ぶ特急列車です。

この図を見て

「あれっ?なんで白馬??」

と思った人もいると思います。


実はこの『しなの81号』、

長野駅に行かないしなの号

なんです!

出典:コンパス時刻表12月号 (株)交通新聞社


普通、繁忙期などで増発される臨時列車では、停車駅のパターンを変えたりする事はよくあります。

しかしこの列車はパターンを変えるどころか

松本駅から大糸線を突っ走って白馬に乗り入れるというマイペースぶり(笑)

これはなかなか面白そうな列車ですね!


 4両編成での運行

続いて2つ目の点です。

次の写真をご覧下さい!


これは、今回は除け者扱いにされた長野駅で特急しなの号の『乗車口を案内する札』の写真です。

10両編成、8両編成、6両編成・・・・あれ?4両編成の乗車口は??

そうなんです!

実は定期列車のしなの号には

4両編成での運転は無いんです。


特急しなの号は6両(A0編成)を基本編成としていますが、繁忙期や多客時には付属編成を増結して8両編成最大10両編成で運行されます。

8両編成の例:写真の左側がA200編成、右側がA0編成


付属編成には、4両(A100編成)2両(A200編成)の2種類があり、それぞれの編成によって座席パターンやトイレの有無等が異なっています。


つまりですよ。

定期列車のしなの号では必ず6両編成以上で運行されるのですが、この列車は

付属編成のA100編成のみを使用して4両編成1人ぼっちで運行される

というわけ!



普段しなの号はよく利用するので、最初は

なんじゃこりゃ?

と思いましたがこの列車。

乗ってみると

突っ込みどころ満載で非常に面白い(笑)


 予算


今回はいつも通り、先頭車両1号車1番C席を取りました。


しなの号のこの席に座れば、パノラマグリーン車の前面展望がよく見えます。

木曽福島からの料金は以下の通りです。

 運賃

木曽福島→白馬 ¥2,310


 特急料金

グリーン料金 ¥4,660

合計 ¥6,970

 木曽福島駅からスタート



木曽福島駅は木曽観光の重要な拠点駅です。

新宿発着の高速バスが直通していて、1日に約800人ほどが利用します。


これすごいですね!

木曽福島駅は最近電光掲示板が最新式のものに変わり、超先進的です。

本来ですと、普通列車が2時間に1本あるので、今回の様に3タテで特急列車の案内が表示されるのは非常に珍しい光景。

発車まで40分ほど時間があるので、少し駅周辺を探検してみます。


 水車小屋



駅前にはこんな感じの古風な水車小屋がありました。

さすが観光拠点駅!


 D51蒸気機関車



駅から徒歩1分ほどの場所には、1973年(中央西線の全線電化完了)まで活躍した蒸気機関車が展示されています!


余談ですが、私の父は1973年当時、アルバイトで中央西線電化のために、電柱を立てるための穴を1本¥30,000で掘ったそうです。

こうした表舞台には出ない人の力添えがあって、後の381系383系などが中央西線で活躍できる様になったと考えると、凄く有難い事だと感じます。


 発車15分前に改札へ


それでは!

発車15分前にこのきっぷを駅員さんに見せて、中に入っていきます!


木曽福島駅は有人改札なので、駅員さんにスタンプを押してもらって中に入ります。


私は自動改札機に「カチャカチャ」ときっぷを通すよりも、こんな感じでやり取りする方が旅をする気持ちも高まって好きなんですが

みなさんはどうですか?

しかし昔の様に、実際に「きっぷを切ってもらう」事がもう無いのが個人的には少し寂しい所です。

改札を通って中に入ると、ご当地キャラがお見送りをしてくれます(笑)


名前は義仲(よしなか)くん(左側)と巴(ともえ)ちゃん(右側)。

由来はみなさんの中にはご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、戦国武将の『木曽義仲』その妻です。

最近はこんな感じのご当地キャラが増えましたが、旅先でご当地キャラを見つけるのも、旅行の楽しみ方の1つではないでしょうか?

ホームには線路の下を潜っていく構造になっています。


下の写真を見ていただいて、向かって左側が名古屋方面、右側が長野方面です。


ホームは1面2線の島式構造となっています。

売店などはなく、待合室とジュースの自動販売機が置いてあるのみのシンプルな造り。

旅情あふれる、静かな駅です。

耳をすませば、小鳥のさえずりも聞こえてきますよ。


 専用の乗車口案内


今回乗車する特急しなの81号白馬行きの乗車口はホームの黄色いステッカーが目印です!


・・・なんだか違和感がある様な感じがしますが、気のせいでしょうか??


左から順番に、6両のとき4号車、8両のとき4号車、10両のとき4号車、4両のとき1号車!



1番左に黄色いステッカーを持ってくれば、

4両、6両、8両、10両

で見栄えいいと思いますが、

駅員さん「4両編成用の案内どこに貼るか?ここでいいや」

的な感じで貼り付けられたのでしょう。

きっと。



この列車は4両編成1人ぼっちで運行されて、乗車口案内も雑な扱いを受けて、なんだかかわいそうな特急列車ですね(笑)


 10:01 しなの81号入線


それでは、入線の様子をご覧下さい。
 



最近スマホ用のミニ三脚を購入したので、定点撮影をしてみました。

これまでの撮影はどうしても手振れが気になり、あとで見返すと画面酔いして

おえっ(汗)吐きそう・・・

となる事がありましたが、今回は列車が入線する様子を綺麗に撮影する事に成功!


今後の乗り鉄で重宝しそうです!!


 パノラマグリーン車はどこいった???


みなさん、先ほどの入線の動画を見てお気づきになられたでしょうか?

特急しなのといえば、先頭にパノラマグリーン車が連結されている筈ですが・・・

あれ??


これは一体・・・


そうなんです!実は

先頭車両はパノラマグリーン車「ではない」のです!

おいおい(笑)

ちなみに定期列車はすべて、下の写真の様なパノラマグリーン車が連結されています。


同じ1号車1番C席でしかも同じグリーン料金・・・

パノラマグリーン車最前列の前面展望



今回乗車した貫通型グリーン車最前列の前面展望


この差で同じ値段とは(笑)

しかしながらある程度の前面展望は効くので、白馬までの約2時間いつもとは一味違うグリーン車の車窓を楽しみながら行きたいと思います。


ちなみに前の窓ガラスには『A103』の文字が見えますが、これは付属編成の『A100編成』である事を表しています。

特急しなの81号は木曽福島を出ると、塩尻、松本、豊科、穂高、信濃大町、神城、終点白馬の順に停車します。


 曲線と駅を高速通過


中央西線は険しい山岳地帯を通る路線で、急なカーブ(曲線)が多く、単線区間(原野〜宮ノ越間、奈良井〜贄川間など)がいくつか存在し、普通列車で木曽福島から塩尻まで向かうと約50分。


しかし、特急しなの号の運用に使われる383系電車には高性能な『制御付自然振り子』が搭載されており、半径600mの曲線を本則+35km/hで走行可能な高い曲線通過性能を持っているため、特急しなのを利用すると木曽福島から塩尻まで約27分でいく事ができます。

すごいですね!

ちなみに、車両を繋ぐ『ほろ』の部分では振り子が作動して車体が傾斜する様子を観察することができます!

次の動画をご覧ください。



前の車両が傾いた後、また水平に戻る様子がよくわかりますね。

振り子特急で車両が傾く原理は、バイクがカーブを走行する時に、遠心力に対抗するため車体を内側に傾けるのと同じです。


383系電車等に搭載される制御付自然振り子は、線路上に設けられた素子の情報からコンピュータが最適な傾斜角度を自動的に計算して車両を最大5°傾斜させるため、381系電車などの自然式振り子と比べると乗り物酔いを起こしにくいとされています。

ただし!

立っていたり、座席をクロスさせて進行方向とは逆向きにしていると人によっては酔いやすくなるので注意が必要!!

前向いて座って景色を眺めていれば大丈夫です!


曲線と同様に、途中駅も高速で通過していきます。


 薮原通過



薮原駅は木祖村の主要駅で、2面3線の国鉄型配線の駅。

しなの号は100km/h以上のスピードで通過していきます。

 奈良井通過?



この駅も高速通過・・・と思ったら、奈良井駅では1分ほど運転停車をします。

この先は単線区間ですが、時刻表を見る限り特に行き違いは無かったのでわざわざ止まる必要はあるのでしょうか?

この列車はずいぶんとマイペースですね。


 木曽平沢通過




木曽平沢駅は長野方面に向かって緩い左カーブを描いているので、ホームで通過するしなの号を眺めると、車両が傾く様子がよく観察できる面白い駅です。

撮り鉄の方、この駅オススメですよ。


 塩尻大門


1番右側に見える待避線用の線路を進むと新宿方面


塩尻駅の手前右側には、『塩尻大門』という旧塩尻駅の発着線が見えます。

塩尻駅をスルーして待避線を使えば直通運転可能


1982年までは、塩尻駅は現在の駅がある地点より東側にあり、中央西線と中央東線を相互に直通運転可能な構造になっていて、いくつか直通運転する列車も設定されていました。

旧駅前はロータリーになっていて、塩尻銀座通りに隣接


現在の位置になってからは塩尻駅構内でスイッチバックを行わないと直通運転ができないため、『諏訪しなの号』や『木曽あずさ号』等の臨時列車を除いて直通運転する列車はありません。


 塩尻 10:33着




木曽福島を出発して、定刻通り31分で塩尻に到着します。


・・・なんだかいつもよりペース遅い気がしますが、気のせいでしょうか??

実は定期のしなの号は27分で木曽福島から塩尻に来る事ができますが、この列車は定期列車より4分遅いダイヤとなっています。


ここで表定速度を計算してみます。

[表定速度]木曽福島〜塩尻間

定期しなの号:93km/h
しなの81号   :81km/h

この列車はマイペースなのであまりスピード出さないんですね(笑)

臨時列車が定期列車より遅く走る事は他の在来線でもしばしばありますが、この列車に関しては

適当に扱われた乗車口案内、ぼったくりグリーン車、4両編成単独の一人ぼっち運行

な所が、余計にこの鈍足ダイヤを目立たせます!


この列車、突っ込みどころ満載です(笑)




塩尻から先は、新宿方面から来るあずさ5号南小谷行きが先行してその後しなの81号が追従するダイヤとなっていますが、当日は中央東線内で遅延が発生したため、あずさ号は7分遅れて塩尻に到着しました。


あずさ号の発車を待ってから、しなの81号は発車します。




 次回予告


しなの81号は約8分遅れで塩尻を出発し、松本から大糸線内に進みます。


定期のしなの号では見られない珍しい電光掲示板の案内表示や、383系から眺める大糸線の車窓など、ポイントとなるところについて触れていきたいと思います。


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