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「人は、何のために生きるのだろう?」

「自分だけの幸せ」ではなく、「誰かの幸せを自分の喜びにする生き方」にあるのではないか。
我欲ではなく、愛情を中心に生きる。
そんな生き方を、歴史や社会、身近な出来事、そして人生の「なぜ?」を通して、皆さんと一緒に考えていきたいと思っています。

 

 

第十一章 モーセトライアングル

 

神様は生まれたばかりの幼子モーセに優しく、そして期待を込めて

言われた。「幼子よ、私はこの日を待ちに待っていた。イスラエル

とその一族70人がヨセフを訪ねてエジプトに入ってから、400

年の時が満ちようとしている。今やアブラハムの失敗により悪魔が

手にしたイスラエルの民に対する所有権は終わりを告げる。私はお

前を立てて本格的な計画を開始する。」

悪魔はエジプトの王ファラオの心に働きかけた。

「私の子ファラオ、お前のなすべき重大な使命がある。神様はイス

ラエルを善の天使として所有した。今神様はその版図を拡大しよう

と計画している。しかし私はイスラエルに対して400年間の所有

権を手にした。アブラハムが鳩を裂かなかったことがその根拠と

なった。ファラオ、お前はエジプトの支配者として最高の権威を

持っている。そしてイスラエルをその手の内に握っている。しかし

このまま何の手も打たなければ将来お前の権力の座は脅かされるこ

とになる。前はそれでもよいのか。お前のプライドがそれを良しと

するか。将来の最大の敵は、今やお前の奴隷となっているイスラエ

ルとなるであろう。だから彼らの勢力が大きくならないうちにつぶ

せ。400年間が過ぎないうちに叩き潰すのだ。」

ファラオは部下に命じた。

「奴隷は激しい労働と虐待にも拘わらず数が増えている。奴隷はレ

ンガを作りしっくいをこね、倉庫の町を建てるのに必要不可欠だ。

しかし勢力が大きくなるのは好ましくない。他国と戦争になった

時、彼らは内部の敵となってエジプトを滅ぼすであろう。そこで私

は命令を出す。イスラエルの子が生まれた時、男はみな殺せ、女だ

けを生かしておいて労働力として使うのだ。」

ファラオの命令によりイスラエルの男の子は殺された。

モーセの母は、幼子モーセをひた隠しに隠して3ヶ月が過ぎた。

しかしこれ以上隠すことは不可能であると決意した母は、モーセを

小さなかごに入れ、ナイル川に流そうとして言った。

「かわいい我が子よ。アブラハム、イサク、ヤコブの神が必ず守っ

てくれる。ファラオは男の子をみな殺せと命令を出した。私の下に

いれば必ず殺される。今私はお前を神様の手にゆだねる。神様の御

心のままにお前は導かれるでしょう。」

幼子は何も分からず、母の心配を一身に受けながら、何よりも神様

の期待を一身に受けながら、ナイルの川面を流れていった。

ミカエルは言った。

「ご主人様、長い間じっと耐えてこられましたが、いよいよ時が来

ました。あなたの期待を背負って幼子モーセが今ナイル川を流れて

います。私も全力を尽くしてお役に立ちたいと思います。」

つづく