ミカエルは言った。
「ご主人様、それでは二番目の奇跡は母を取り返す意味を持ち、調
和完成を意味しているはずですね。」
神様は答えられた。
「その通りだ。誰でも見当がつくだろう。まず手を懐に入れてらい
病になったというのはエバが神様の懐に入らずルシファーの懐に入
ることによって、ねたみ、嫉妬に狂って悪魔の子になったことを意
味している。らい病より怖いのは、ねたみ嫉妬に狂った心の病気で
ある。しかしもう一度懐に入ることによって癒やされたというの
は、悪魔の子が正しい神側の母によって悪魔から解放される希望が
あるというとこを示している。懐は母の愛を示しており、調和完成
を意味している。三つ目の奇跡は水が血に変わるというものであっ
た。ノアトライアングルで善悪分立が行われたがその時の審判は洪
水つまり水で行われた。水は罪を象徴している。しかし血は生命を
意味する。即ち水が血に変わるという奇跡は悪魔の子が神の子に生
まれ変わることができるということを示している。すなわち父が神
側に帰り、母が神側に帰れば子供が神側に帰ることができるという
ことを意味しており、結局子供から敬慕を返ってくる道を開く。つ
まり敬慕完成を意味している。結局、人間の責任は三大責任である
ことを物語っている。」
ミカエルは言った。
「ところでモーセの三大奇跡を見てファラオはイスラエルの民を解
放する気になったのでしょうか。」
神様は言われた。
「モーセに注目しなさい。その答えを見出だせるだろう。」
ファラオの心は全く頑なであった。もし奴隷を解放すれば誰がレン
ガを作り、誰がしっくいをこね、誰が町を建設するのだろうか。奴
隷のないエジプトなど考えること自体が不可能だった。更に世界文
化の最高峰を自負し、世界に誇るエジプトの権力が武器を持たない
奴隷の解放者に敗北するなどということは断じて許せなかったの
だ。世界の笑いものになるのが関の山だった。
モーセはファラオに言った。
「万軍の主はこう言われる。お前の心が頑なであり、どうしてもイ
スラエルの民を解放しないため、大いなる災がエジプトを襲うであ
ろう。」
エジプトに連続して10の災いが襲い掛かった。カエルの大群が襲
い、ブヨ、アブの大群が襲い、疫病、腫れ物、雹の災いがエジプト
を苦しめた。更にイナゴの大群が襲い、3日間の暗闇が襲っ
た・・・。このようにして多くの災いがエジプトを襲った。10番
目の災いはエジプトの長男という長男がことごとく死ぬというもの
であった。この災がファラオをしてイスラエルを解放させる決断を
強いた。
ミカエルは言った。
「ご主人様、三大奇跡に意味があるのですから10の災いにも意味
があるのでは・・・、最後の災いが長男を殺すというものでした
が・・・。」
神様は言われた。
「ヤコブがハランの地でラバンに何度騙されたか覚えているだろ
う。そうだ、10度も騙されている。ヤコブが当然受け取るべきも
のを、悪魔を代表するラバンは10回騙してヤコブを苦しめた。
ファラオは許された時が過ぎてさえ、なおもイスラエルを所有しよ
うと心を頑なにしている。従って10回の災いを与える権利を、私
が持っている。再現清算の法則は歴史を超えて適用されることを覚
えておきなさい。時が経つにつれて私の言葉の意味がより深く理解
できるようになるだろう。最後の災いはエジプトの長男が死ぬこと
だった。ミカエル、長男は悪魔を代表し、次男は私を代表している
ことは分かっているね。悪魔の歴史は長男カインが次男アベルを殺
して出発した。今モーセはエジプトでの悪魔支配の歴史に終止符を
打ち、私の歴史を新しく出発しようとしている。再現清算の法則に
従い今度は長男を打つことによって出発することになる。」
さすがのファラオもついにイスラエルの解放に同意した。上層部摂
理においては反逆したイスラエルの民も、今度はモーセを解放者と
して受け入れた。
このようにして歴史的な大事件「出エジプト」は行われた。
この時、成人男子の数だけでも60万人を超えていた。
つづく
