神様はイスラエルの民に言われた。
「第二次摂理でつぶやいた者はこの荒野で死ぬであろう。40年の間あなた方はこの荒野をさまようであろう。エリコを偵察するために40日を要したが、その一日を一年として40年の間あなた方は堂々巡りをしながらこの荒野をさまようであろう。その間につぶやいた者はみな死に絶えるであろう。」
ミカエルは言った。
「第三回目の悪魔分立40年を通過するのですね。あなたがエジプトにおいて準備された最初の摂理は上層部でした。モーセは奴隷の子でありながら、不思議な運命の巡り合わせでエジプトの王子となりました。」
神様がミカエルの言葉をさえぎって言われた。
「ミカエル、不思議な巡り合わせではない。公式に従って私がそう導いたのだ。」
ミカエルは言った。
「申し訳ありません。言葉を間違えました。あなたのおっしゃる通りです。イスラエルの反逆によってモーセは羊飼いとなり、更にミデアン荒野で40年を過ごしました。その後、出エジプトが行われましたが、その時、参加した者達は下層部摂理に参加したと言えます。三回目は異邦摂理に移行するとあなたは説明して下さいました。20歳未満の者だけがカナンに入ると言われたあなたの真意はここにあるのですね。」
神様は言われた。
「その通りだ。最後のチャンスだけとなった。私はモーセに大いなる期待を寄せる。」
イスラエルの民は目的の地カナンまであと20日間の道のりのところに到達していた。にも拘わらず、その後40年に渡って荒野をさまよった。その間においても、イスラエルは多くのつぶやきをモーセと神様に浴びせた。
彼らは水がないとつぶやいた。そのつぶやきをモーセは聞いた。
モーセは神様の下に行き指示を仰いだ。
神様はモーセに言われた。
「あなたの杖で岩を打ち水を出して民に飲ませなさい。」
モーセは民を集めて言った。
「背く人達よ、聞きなさい。我々がどうしてあなた方のために岩から水を出さなければならないだろうか。」
モーセは岩を二度打って水を出したが、神様はモーセと兄アロンに言われた。
「あなた方は私を信じないで、イスラエルの人々の前に私の聖なることを現さなかったから、この民を約束の地に導き入れることはできないであろう。」
ミカエルはすぐ神様に質問した。
「ご主人様、何かモーセは大きな間違いを犯したのですか。どうして夢にまで見た約束の地にモーセは入れてもらえないのですか。」
いつも神様の言葉通りに素直に受け入れていたミカエルも、さすがに今回ばかりは腑に落ちないように見えた。
神様が答えるより先に悪魔が誇らしげに入り込んで言った。
「ようやくモーセを罠にかけることができた。私はかつて神様の前に明けの明星として最高の位置を与えられていた。しかしアダムとエバが誕生して、私は人間世界では最低の位置に叩き落された。私が悪魔になった最大の理由は、最愛の位置から最も愛されない位置に落とされたことにある。今まで私は如何にしてモーセを罠にかけるかを狙ってきた。神様から愛されているモーセが最も愛されない立場に立たされた時、彼が如何なる行動をとるかによって神様のものか、私のものかが決まる。そこで不平と不満の塊であるイスラエルの民を使ってモーセを追い込んだのだ。モーセは見事に引っかかた。彼は不平を言うイスラエルに、自己の感情をコントロールできず、怒りにまかせて一度しか打ってはいけない岩を二度打ってしまった。私の勝ちだ。」
神様は言われた。
「私は絶対的愛の存在だ。絶対的とは相手の出方に一切影響を受けないということだ。だから最終的な敬慕完成を目指してモーセとイスラエルの民の見事な一体化を期待した。しかしモーセは悪魔に侵入を許してしまった。モーセ自身が引っかかってしまった。私は何としてもモーセをカナンの地に入れたかった。しかし原則を曲げることはできない。モーセは約束の地には入れない。」
ミカエルは言った。
「最後のチャンスの途上でモーセまで倒れたらこの後は一体どうなるのでしょうか。」
つづく
