イスラエル版拡時代
ミカエルは言った。
「ご主人様、イスラエル版拡時代には版図を拡大するための多くの事柄がありました。私は中でもギデオンに関してあなたの一面を見たような気がします。」
ギデオンは神様の命令でミデアン人と戦う時を迎えようとしていた。ギデオンの兵士は3万2000人ほどであった。
ところが神様はギデオンに言われた。
「あなたの民は多すぎる。この民で戦いに勝っても彼らは自分の実力で勝ったと言うであろう。私に栄光を帰す者は誰もいないであろう。私はあなたに命じる。戦いを恐れる者はみな帰るように言いなさい。」
ギデオンは神様の指示された通り布告した。
その結果帰った者は2万2000人おり、残った者は1万人であった。
神様はまた指示をされた。
「民はまだ多い。民に命じて川の水を飲ませなさい。」
神様は言われた。
「手で水をすくって飲んだ者を選び、直接川に口をつけて犬のような飲み方をした者を外せ。」
残った者の数はわずか300人であった。
敵の数はアマレク人、ミデアン人その他東方の民を含めてイナゴのように多かった。そのラクダの数は海の砂の数も追いつけないほどであった。
神様は満足して言われた。
「これで勝てば彼らは神様の力によって勝ったと栄光を私に帰すであろう。」
ギデオンはこのようにして大いなる勝利を収めた。
神様は言われた。
「人間は私と同格に造られている。しかしそれは傲慢になるためでもなく自己の栄光を求めるためでもない。宇宙の創造者である私が仕える立場で人間を最高の位置に立たせようとしたのは、私の愛の本質から出たものだ。その愛の深さを知れば自動的に人間は自己の責任で全ての感謝と栄光を私に帰したくなるのだ。それが本来の計画だった。ところがルシファーはプライドの塊となって最も偉い者のように振る舞っている。人間はそのルシファーと親子関係を結んで全く悪魔に似てしまった。いつも自分の栄光を求め、人のものまで自分の栄光としたがる。何と醜く恥ずかしいことだろう。それでも人間の中にはわずかでも本心が残っている。私はその本心に事あるごとに働きかけて来た。自己の実力の範囲内での戦いに勝利しても、人間は自分の実力で勝ったと考える。つまり栄光を自分に帰そうとする。それでは悪魔に似るばかりだ。私は自分の実力だけでは勝利できない戦いを要求した。そのことによって彼らは私に栄光を帰すようになるに違いない。」
ミカエルは言った。
『今まで多くの人間が「私にはそんな実力も勇気もありません」と自分の無力さを断り文句に使っているのをたくさん見てきましたが、あなたの教えによればそういう人こそあなたの栄光を現すのに好都合なのですね。』
神様は言われた。
「人間がもっと素直ならこんな教訓を残す必要もないのだ。私は毎日たくさんの奇跡を見せている。ミカエル、お前は私の天地創造をつぶさに見たであろう。種から芽が出て、葉を出し、花が咲き、実を結び。これは奇跡だ。ところが人間は毎日見慣れたことは普通のこととしか考えない。このような奇跡を見ても私に栄光を帰そうとしないばかりか、感謝もしない・・・。困ったものだ。人間が栄光をいつも私に帰すなら、私は全知全能の力を持って人間を保護することができるのに・・・。」つづく
