兄弟達に売られたヨセフは、ファラオの夢を解くことでエジプトの総理大臣に抜擢された。 | クリスチャン以外にも読んでもらいたい聖書物語

クリスチャン以外にも読んでもらいたい聖書物語

世界には多くのクリスチャンがおられます。様々な教会があり、様々な聖書解釈があります。これから描いていく聖書物語は、人間から見た聖書解釈ではなく、あくまでも神様の目的や視点から見た聖書解釈であり、そこから知り得た人間の責任について書き綴っていきます。

 

 

この頃一人の女タマルが出産の時を迎えていた。タマルの胎内に

は、双子があった。産婆は先に生まれようと手を出した子に緋の糸

を結んだ。ところがその子は再び胎内に戻りその弟が先に生まれ

た。その名はペレズと名付けられた。その後、緋の糸のある兄が生

まれた。名はゼラと呼ばれた。

さて、エジプトの王ファラオは夢を見た。その夢はあまりにも深刻

だった。夢の内容はこうだった。

「ファラオはナイルのほとりに立っていた。肥え太った7頭の雌牛

がいた。後から醜いやせた7頭の雌牛が出て、肥えた牛を食い尽く

してしまった。」

ファラオはまた夢を見た。

「一つの茎に太った7つのよい穂が出てきた。ところがその後にや

せた7つの穂が出て前のよい穂を食い尽くしてしまった。」

ファラオはこの夢を解こうとしてエジプト中のあらゆる魔術師、占

い師を呼んだが誰も解くことはできなかった。

ヨセフはポテパルの信頼を得ていた。ポテパルの妻は夫に隠れてヨ

セフに幾度も言い寄ったがヨセフは拒絶した。ポテパルの妻の策略

でヨセフは牢獄に入れられていた。ファラオはヨセフなら夢を解く

ことができると聞いてヨセフを牢獄から呼び寄せた。

ヨセフは夢を解いて言った。

「7年の大豊作があり、その後7年の凶作が続きます。豊作のうち

に多く蓄えをしておかなければ大変なことになるでしょう。」

ファラオはヨセフを高く評価してエジプトの総理大臣に任命した。

ヨセフはエジプトにおいてファラオに続く最高の権限を持つように

なった。

果たして大豊作が7年にわたって続いた。

ヨセフは町の倉庫に大量の食料を蓄えた。その量は計り知れないほ

どになった。あたかも海の砂のように多かった。その後、ヨセフの

言ったように大飢饉が襲った。飢饉は激しくあらゆる国々を襲っ

た。食糧があるのはただエジプトだけとなった時、諸国の人々は先

を争ってヨセフのもとへ食糧を求めてくるようになった。

ヨセフの父イスラエルは激しい飢饉を乗り越えようと子供達に言っ

た。

「エジプトには食糧の蓄えがあるらしい。さあ兄弟10人で穀物を

求めに行って来なさい。」

イスラエルはヨセフの弟ベニヤミンはエジプトへ行かせなかった。

災いにあうことを恐れた。兄弟達はエジプトへ下りヨセフの前に

立った。ヨセフはすぐ兄弟達を見分けたが兄弟達はヨセフを見分け

ることができなかった。

かつての夢を思い出しながらヨセフは言った。

「貴方がたは回し者で、この国を探るために来たのだ。」

兄弟達は言った。

「とんでもないことです。私達はただ食糧を求めに来ただけです。

私達は同じ兄弟です。私達の国は飢饉で、もはや食糧がありませ

ん。父の命令で末の弟一人を残して私達はみんなで来たのです。」

ヨセフは言った。

「私の勘に間違いはありません。貴方がたは敵の回し者に違いあり

ません。もし違うというならこうしましょう。貴方がたを人質にし

ます。誰か一人を帰し、末の弟を連れてきなさい。そうすればあな

た方の言うことが正しいと分かるでしょう。」

ヨセフは3日の間、兄弟達を監禁所に入れた。その後、ヨセフは

言った。

「私は神を恐れます。貴方がたの言うことに偽りがないのなら一人

だけ残して食糧を携え家族の飢えを救いなさい。そして末の弟を連

れてきなさい。そうすれば死を免れることができます。」

兄弟達はお互いに言った。

「どうしてこんな目に遭わなければならないのだろう。私達には責

められるべき罪がある。弟ヨセフがしきりに願った時、我々はその

心の苦しみを見ながら聞き入れなかった。だからこんな苦しみに遭

わされるのだ。」

ヨセフは通訳を通して話したが彼らの言葉はそのまま理解した。

ヨセフは誰もいないところで泣いた。

ヨセフは彼らに穀物を与えた。また代金の銀もそのまま袋に入れ

た。兄弟達はイスラエルの下に帰って一部始終を伝えた。

イスラエルは嘆き悲しんで言った。  

「あなた方は私をどこまで苦しめば気が済むのか。ヨセフは死に今

度はシメオンを失い、そしてまたベニヤミンをも失わせるのか。」

イスラエルは再びエジプトに行くことを許さなかった。ベニヤミン

ンまで失うことを恐れた。

飢饉はますます激しくなった。エジプトから持ち帰った食糧を食い

尽くした時イスラエルは言った。

「もう一度エジプトへ出かけなさい。」

ユダは言った。

「弟が一緒でなければ出かけることはできません。あの人は末の弟

が一緒でなければ私の顔を見てはならないときつく言いました。」

イスラエルは言った。

「どうして弟がいるなどと言ったのか。」

兄弟達は言った。

「あの人は私達のことをいろいろ聞いて父はまだ生きているのか、

もう一人の弟がいるかと言ったので聞かれるままに答えたのです。

その時まさか弟を連れて来いということなど、どうして知ることが

できたでしょうか。」

ユダは言った。

「弟が一緒でよいならすぐにでも出かけます。私が責任を持ちま

す。もしそうできなかったら永遠にその罪を私が背負います。こん

なにためらわなかったらもう二度は往復できたでしょう。」

イスラエルは言った。

「貴方がたの思うようにしなさい。弟を連れて行ってもよい。もし

神様の願いでベニヤミンまで失わなければならないならそれでもよ

い。すぐ出かけなさい。」

つづく