令和4(2022)年の夏、日本政治に必要な「ニューディール(新政策)」
今年の夏は、3年に一度の参議院議院通常選挙があります。有権者に、何が求められるでしょうか。
昨年は、衆議院の任期満了を秋に控えた、衆院選の年でした。安倍-菅一強体制の、外にタカ派外交、内に新自由主義という基本路線は、約10年間、思うような成果を挙げられず、コロナ対策と東京五輪成功の展望を失い、安倍首相は政権を投げ出し、菅首相は解散総選挙を決断できませんでした。約10年間、日本経済は停滞し、平均賃金は下がり、多くの国々に追い越されました。
「菅首相では衆院選を戦えない」という自民党内の悲痛な叫びで、菅首相は政権継続を断念。自民党総裁選が盛んに報道され、岸田新総裁=新首相の下、イメージ・チェンジで解散総選挙となりました。この間、立憲民主党は政策面で迫力不足、野党共闘体制で準備不足。総選挙は、立憲民主の退潮(選挙後に党代表が責任を取って交代)、維新の台頭という結果になりました。
では、岸田政権は安倍-菅政権と比べて、何が変わったのでしょうか。ウクライナ戦争への対応は、冷戦時代の考え方のまま、米国とNATOについていくばかりです。コロナ対策は、人口の多い都会で検査を徹底せず、感染者の放置を招き、感染の急拡大から重症や死亡が増えてしまうというパターンを繰り返しています。財政出動も、諸外国に比べて弱いままです。
イメージ・チェンジを演出しつつ、旧勢力に対する遠慮や依存があり、政策の基本は、ほとんど変わっていないのが実情です。
したがって、今年の夏に求められるのは、①安倍-菅から岸田政権と引き継がれた、一強体制10年間を振り返り、②それを生み出した民主党(当時)の三党合意―民主、自民、公明で消費税増税と緊縮財政の政治ブロックを作り、それに反対する勢力を排除する体制づくり―を反省し、③国民の生活を第一にし、生命、自由、幸福を尊重する民主主義の原点に回帰しながら、対外的にも内政面でも新しい政治を作り直す、ということでしょう。
かつて米国のルーズベルト大統領の頃に、米国民主党がそのような「ニューディール(新政策)」を成功させました。当時は大不況と第二次世界大戦の危機の時代。新型コロナウイルス流行とウクライナ戦争という危機の時代にこそ、「ニューディール(新政策)」が必要です。
(終)