咄嗟の事故で瞬時に何を考え、どんな行動を起こすか |         きんぱこ(^^)v  

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      砂坂を這う蟻  たそがれきんのすけ

【事故の心理】


あなたは咄嗟の事態で、何秒で次の動作に移れますか?


今朝の出来事です。

チャリンコ(自転車)で会社に向かう途中、目の前で交通事故に出くわしました。


交差点を曲って南方向に走りかけた黒い中型ワンボックスが、加速を始めようかという時に、左の車の陰から初老の男性が乗った自転車が飛び出してきた。

車は慌ててハンドルを右に回しながら急ブレーキ。

しかし自転車の男性は僅かなブレーキ音を出しただけでゴンとぶつかり、僅かにある車のフロントボンネットに乗りあがってからアスファルトに転げた。。

結果的には私がすぐに救急車を呼び、その間に数人で男性を道端に移動させる。

幸い擦り傷はあったが頭も打っていなかったし、しっかりと話が出来ていたので一安心だろう。

他の人も連絡したのでしょう、しばらくしてパトカーより先に救急車がほぼ同時に2台来た。

あとは任せて会社へ急ぎ、なんとか3分前に到着。


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会社に向かう道中からずっと考えていた。


事故が起こった時に、確かな記憶として、そこにすぐに行動しなかった自分がいた。

事故を見てから、行動を起こすのに10秒はかかっただろうか。


そこにいたのは私だけではない。私と同じように信号待ちをしていた自転車と歩行者が7,8人いた。
一瞬全員が事故の方を見た。

しかし、その後の行動はどうだったろう。

事故という咄嗟の事件をきっかけに、頭の中の時間が止まる。

何秒か経って現実に帰った時に取る人間の行動は様々だった。


私ともう一人の中年男性を除いて、みんな知らぬ顔をして横断歩道を渡って行った。
(みんなつめたいやつ・・・)
とは思わなかった。
なぜなら、私も直後に思ったのは、
(関わりたくないな・・・)
と思ったからだ。

きっとみんながそう思っていただろう。

そこから、現場に近づいて119番をかけるのにまた時間がかかってしまう。


とは言っても、けが人の様態は気になるし捨ててはおけないので現場に近づいた。
同じように考えていた人は私を含めて5人だけだった。

何に関わりあいたくないと思ったのだろうか。

厄介なことに自分の時間を割きたくなかった。何が厄介なことだったのだろうか。
あとでゆっくりと考えてみれば、「事情聴取」だったと思った。

倒れた人に対しては自分に出来ル範囲でなんとかしてやりたい。

ぶつかった車の運転手も真面目そうな人で良かった。この運転手は可哀そうだった。不意の飛び出しに対処できる状態ではなかった。心配そうにけが人を見ている。我に返るにつれて、膝ががくがくしてくるだろうなと思った。未必の故意として過失致傷となるだろう。

それでしかたがないし、事故見分もされるだろう。


しかし、その事情聴取に付き合う心の余裕はなかった。

仕事が間に合わないから・・・とも考えたが言い訳がましい。

ようするに事情聴取に関わるのが嫌なのだ。


正面反対車線から、猛スピードでパトカーがやってきた。中央分離帯のおかげでUターンが出来ずに、現場を通り過ぎて大きな交差点をUターンしようとしていた。

それを見た、私と介護していた数人の男たちは


さっと逃げた。


このことに悔いはない。