記録したいから・・(心療内科) | ゆったりと空を見上げながら・・

ゆったりと空を見上げながら・・

50代で両膝を人工膝関節にしたけれど、スポーツがしたい!!!水泳、バレエ、ボクササイズ、走らないテニスに挑戦中!!!

今日、私のカウンセラーだった故R先生の病院に行った。そこでR先生のお母様と会う約束をしていた。ご仏前にとお菓子を持って行くつもりだった。そこは先生の別邸。先生のご自宅は都会。先生のご両親は先生の別邸の近くにお住まい。カウンセリングの時だけご自宅から車で通ってきていた。今日はいい天気だった。カウンセリングや音楽療法をやった2階の広い部屋があり、そのベランダからは山と川が広がる里山が見渡せる。大きな窓から心地よい風が入ってくる。

 

部屋の真ん中にゆったりと座れる大きなソファがあり、先生がご自宅から車で毎回一緒に連れてくる保護犬2匹が寝そべっている。1匹目はシェットランドシープドッグのラッキー。2匹目は北海道犬のハッピー。ハッピーは右前足が使えない。3本足で上手に何でもこなす。部屋に入ったすぐの右手に、先生が学生時代に主に東南アジアで集めてきた珍しい楽器がたくさんある。月に何回か、音楽療法のU先生を招いて患者さんたちと音楽療法をする時に、その楽器を使う。U先生はその部屋にあるピアノでリクエストすると何でも弾いてくれる。クリスマス会もやったし、楽しい思い出がある部屋。

 

その別邸は先生に会えるところであったし、先生が突然亡くなったところでもある。

 

左膝の人工膝関節置換術の入院を終え、杖をついて先生に会いに来たあの日、駐車場にその場にそぐわない簡素な霊柩車があった。建物のドアを開けて入ってみると、お母様がいらして、会っていってほしいと言われた。突然死だった先生は検死から帰ってきたばかりだった。私は先生に会いに来たけれど、でもそんな会い方じゃない。会いたくて会いに来たのに・・。文字通り泣き崩れた。今となっては約束もしていない日に会いに行った・・その偶然が不思議な感じ。呼んでくれたのかもしれない。自分がいなくても私に生きていく事を約束させるために。

 

部屋を見て、あの日の事を思い出した。もう4年経とうとしているのにまだ涙が出た。

 

心療内科でたまたまお会いした。私がもう最悪な状態の時に。R先生は「yuhoriさん、助けてあげる」とそう私に言った。それからはたくさんの時間を使って親身になってくれた。

 

先日先生が飼っていた最後のワンちゃんが亡くなったそうだ。2匹とも先生が大好きで、2匹を残して先生が部屋を出るとドアの前に座って、先生が戻ってくるまでじっとドアを見ている。その姿が愛らしくて写真を撮って先生に見せた事がある。私もその時はダルメシアンを飼っていたので、先生とは犬の話をよくした。お母様がまだ納骨していない先生と一緒にお墓に入れようと思う、と話して下さった。

 

裏に回ってみた。そこには竹林があり、その竹林の手前にはちょっとしたドッグランができるスペースが作ってある。先生が2匹の為に作ったのだ。そして2階のカウンセリングルームに直接行ける玄関があった。その道は、もうだれもそのルートを通る人がいないので、雑草で道がなくなっていた。玄関までとても行けない。それが私と先生を隔てた時間にも思えて、ものすごく悲しくなった。

 

先生が手入れをしていた庭の写真を撮った。クローバーとムラサキツユクサが咲いていた。ここにくるのは今日が最後。ずっと先生はここにいたけれど、2匹と一緒にお墓に入るから。

 

色んなこと・・大事な事に限ってすぐに忘れてしまう残念な私の脳みそ。どうか先生の優しい笑顔、私を呼ぶ柔らかな声を忘れないで欲しい。2匹に囲まれて楽しそうにきっと笑っている。R先生、安らかに。私を助けてくれてありがとう。