雑誌ターザンの特集の「魚のチカラ」によると、かまぼこがたんぱく質の体内への吸収しやすさで非常に優秀な食品だそうである。
アスリートが良質なたんぱく質を摂取するために、鳥のささみや胸肉を食べる話をよく聞くが、かまぼこはさらに優秀らしい。
たんぱく質の体内への吸収のしやすさの指標としてDIAASというスコアがあるのだが、鳥の胸肉が108で、かまぼこはその上の128だそうである。
というわけで、スーパーで酒のつまみにかまぼこを買ってみた。
今は克服したが、以前はかまぼこが苦手で、魚の食感を台無しにした、おせちのお重のスペースを埋めるための存在ぐらいにしか思っていなかった。
それなのに新人だった35年ほど前、マーケティングリサーチの部門にいて、某かまぼこメーカーからのおせち料理のアンケート調査を受託して、そのメーカーの小売店向け新作商談会に呼ばれ、担当者からすすめられて数多くのかまぼこを試食させられ、かまぼこ攻めにあい、かまぼこ嫌いがいっそう強くなった。
苦手を克服して、美味さを感じたのは東日本大震災だった。
復興関係の仕事で、震災から4か月後に宮城県に出張し、NPOの人とともに津波被害の爪跡が残る石巻に行った。その時に地元の白謙かまぼこが津波で工場が甚大な被害を受けたにも関わらず、早く従業員の仕事を作ろうと、いち早く復旧させて生産を再開させたというお話をされ、とても美味しいし、仙台駅でも販売されているのでぜひお土産にどうぞと勧められたのでいろいろな蒲鉾や練り物を買ってみた。
家に帰って、家族とともに食べて、その美味さに感動した。どれも美味いが、特に笹かまと白謙揚げは別格の美味さだった。
以来、白謙かまぼこに勝るかまぼこには出会っていないが、他のかまぼこも苦手意識は消えて普通に食べられるようになった。
そんな思い出がよみがえり、また白謙かまぼこの笹かまが無性に食べたくなった。