*舞台劇の[小品]風であり、登場人物の語りや背景、時期は混ざっています。
さて・・
時代の世相は高度成長に湧く慌ただしい頃でした。
少年期も抜け出して、男女交際に心が騒ぐ頃の回想にお付き合いください。
親しい級友からペンフレンドを紹介され、あまり考えず承諾してしまいました。年上の女性には苦手意識が残っていて、同年なので気楽になっていたのです。
何通かやり取りしてから、写真の交換を丁寧な文章で求められた。
応諾すると綺麗な封書で送られてきました。
優しく微笑む女高生たち数人の集合写真?
お茶目な性格の様です。
ヒントは太っていますと、追伸がある。
私は一枚のポートレートを選んで送りました。素人写真で背景はボケ気味。
*引用 “文学少女”と慟哭の巡礼者 // Bungaku Shoujo to Doukoku no Palmier
その後、冬に逢うことになり・・
ターミナル駅の改札付近、目印は無し。
約束の三十分前に改札を出ると、ペンフレンド?から聲を掛けられた。
えっ!
そこには綺麗な少女が立っていました。太ってはいません。
「姉は急な入院で来られません。すみません」
「お話ししたいのです・・。」
何か事情がありそうなので、足を延ばして水辺のある公園に誘いました。
少女「写真は健康な時のもので、今は薬の所為でむくんで太っていてます。ごめんなさい」
妹さんに探してもらわなければ、私には分からなかったでしょうね。真剣に見つけてくれた。
キラキラした眼が潤んでて、気が強い感じw
詳しい事情が分かり、電話番号を交換して帰宅しました。
それから便りは交換されたが、返信の無い気がかりな月が続き、しばらくして「返信」にペンフレンドの訃報が書かれていた。
電話を待っていたそうです。
一度も逢ったことの無い乙女とのお別れでした。
私も電話を心待ちしていたのに・・
深々とした寒い夜でした。
あくる年の春・・
高校生になった少女と交際するのは、また別のお話しですょw
因幡晃 雪
salamat0708
2010/10/1
◇ゆく年のご挨拶
今年も1年間ご訪問いただきありがとうございました。
さて、
ブログ仲間には、静かに世を去る方もおられます。
豊かな感性に驚く喜びを頂きました。
忘れません。
ありがとうございました。