*舞台劇の[小品]風であり、登場人物の語りや背景、時期は混ざっています。
高校生でした・・
手術の麻酔からゆっくり醒めると、白い天井の明かりが眩しかった。
鼻にはチューブが差し込まれている。
無意識に引き抜こうとしたようで、手首に包帯が巻かれていた。
入院中は、付添いさんを頼んでいます。
自力で排尿できない。
中年の看護婦(看護師)さんにチューブ導入されました。少し痛かったが、温かい手に局部を摘ままれる。
弱っていたので恥ずかしさは感じなかったが、気力が戻るとやはり恥ずかしい。
白湯から飲み始めます。
眩暈(めまい)があり、治まらないと歩くことができないほど衰弱している。
トイレに行けず、尿瓶(しびん)に頼りました。流動食がまだなので、排便はありませんでした。
『逢いたい・・』
暗い淵の底から、明るい世界に這い出る気力が、フッフッと湧いた。
pixta 砂浜と女性の後ろ姿
他の執着は、放り投げてしまいました。気がスーとした。
お見舞いと称する知らない者が、看護婦さんに様子を聞いていたそうです。付き添いさんに菓子折りを託して、病室に来なかった。生存確認か??
胡乱な事なので、菓子折りは捨てて貰った。
生存本能の五感を屈指するようになりました。
自らの体験からの学びです。
それからは、自分に甘く他人に厳しい「普通の人間」になったようです。
背中に激情が奔った。
天井の蛍光灯が破裂して落ちた。
怒りは怒りの感情で・・吐き出す。死んでたまるか!!
桃山晴衣の梁塵秘抄/瑠璃の浄土は潔し Harue Momoyama/ Ryojin hisho
ototatchinuru18
2010/11/24 に公開