正月 銭湯絵師  湯屋の思い出その3 | taroozaの不思議の謎解き 邯鄲(かんたん)の夢

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巡礼の旅で、危機に瀕する日本を感じました。
未来の孫たちへ、「日本人の霊的遺伝子」を繋げる責務が、今の世代にあります。

 
(西伊豆から眺めた富士山 )


謹賀新年 
明けましておめでとうございます。



普段、銭湯の定休日は毎週木曜日でした。
その一日の間に男女湯の背景画を銭湯絵師が手早く描きます。
渡り絵師もいましたが、いつも決まった老絵師に頼んでいました。゛

老絵師は、古い絵を削ぎ落として下地塗りを整えてから一気に描いていましたが、渡り絵師は、手間を惜しんで古い絵に下地を塗り上書きです。完成した絵を近くで見ると凸凹して興醒め。また注文通りの富士山の背景画になっていなかった。


伊豆生まれの祖父の好みは西伊豆から眺めた富士山です。
老絵師はちやんと注文通りの西伊豆から眺めた富士山を描いてくれました。どこから見たのか分らない富士山ではないのです。
昔は、静岡出身(山陰地方も多かった)の公衆浴場経営者が多かったので、故郷を身近に感じたいのでしょう。

気に入っていたのでしょう、老絵師が亡くなっても、何年もそのままにして新しく頼みませんでした。


正月は朝湯のため特別営業していました。
門松は植木職人が飾ってくれました。


門松は冥土の旅の一里塚めでたくもありめでたくもなし (狂雲集) 一休宗純

【解説】


年齢を「満」ではなくて「数え」で数えていた時代には、誕生日ではなく、お正月がくると誰でも一つ年齢を加えいました。
「数え」では、生まれたときはすでに一歳で、何月に生まれようと、生まれてから最初のお正月が来れば二歳になり、二度目のお正月が来れば三歳になります。

 人生を旅に例えたとき、正月に立てる門松は、旅の道程の一里塚のようなもの。
 門松を立てるということは、ひとつ年を取るということであり、人生という旅が、また少し終わりに近づいたということでもあるのだよ。
 正月はめでたいと言うけれど、裏を返せば一歩死(冥途=あの世)に近づく日でもあり、めでたくない日でもあるのだよ。

 
ちなみに一里塚とは、大きな街道などで、旅人に距離を知らせるために 一里(約4キロ)ごとに築かれた塚です。
ヤフー知恵袋 http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1449229244


春の海(Haru No Umi) 宮城道雄
http://youtu.be/BeVYO-2wDK0