文化人類学などによる宗教研究ではしばしば“シャーマン”という言葉・概念によって宗教的ものごとを分類・説明・・・
シャーマンのトランスには、霊魂が身体から離れて異界に移動し神や霊と接触する ecstasy(エクスタシー、脱魂)型と、反対に神や霊などの超自然的存在がシャーマンを訪れる possession(ポゼッション、憑依)型の2種類があると言われている。( Wikipediaトランス・意識)
[異界の鬼神を見た安倍晴明]
鬼神を見た少年
稀代の陰陽師・安倍晴明が若年の頃、ある夜に師の供をして牛車の後に付いて行くと、ふと前方を見ると、何とも言えず恐ろしい鬼どもがやって来るて゛はないか。
晴明は驚いて牛車で寝ていた師の忠行を起こしてその旨を告げた。
目を覚ました忠行は百鬼夜行を見るや、直ちに法術を使って己と供の者たちの姿を鬼どもに見られぬように隠した。(結界、方かため、身固め法)
その後、忠行は晴明を身近に置き、陰陽の道を余すことなく伝えたそうです。
『今昔物語』巻二十四・第十六話より
参考 呪い方 教えます 宮島鏡著 鬼頭玲監修 株)作品社
陰陽師として存分な修行を積んでも、たやすく見ることのできない鬼神の姿ですが、安倍晴明は若年の頃見たのです。
鬼神は異界の住人であり、常人の眼には見えない。
晴明が異界を見通す眼、特殊な霊力が生まれつき備わっていたのです。
どのような修行でも得られない、生まれながらの特殊な霊力。(絶対条件)
師の忠行が晴明の陰陽師としての素質が稀有なものと確信したのが、鬼神を見る能力でした。
一度、異界に通じると、修法することで、「式神」を自在に使うことが可能となる。
陰陽師を志す人たちは、「鬼神を見る霊力」を渇望しているでしょう。
安倍晴明は、異界の「式神」を駆使するにあたって、シャーマンの脱魂(エクスタシー)と憑依(ポゼッション)を同時に行っている。
シャーマン体質は、通常脱魂型か憑依型のどちらかに偏していますので異界には通じない。
深く通じる方は、両方の型を備えているのだと悟るでしょう。
潜在意識の下に存在すると云われる集合的無意識は、三世(過去世、現世、来世)に渡る全ての意識の海原です。
そして異界の意識の海原は、パラレルに存在している・・と、感じています。
なぜならば、ヒョイと夢に現われる異界の幻獣、百鬼は”物質化”するからです。
「通常の夢」は夢で物質化しませんが、「夢見の夢」は物質化するからです。
幻獣、百鬼(悪魔)も物質化して現われる。
[異界は物質化して憑依する]
洋画予告 「ポゼッション」 呪いの箱
THE POSSESSION Official Trailer (2012) Horror Movie [HD] ( 憑依)
http://youtu.be/0gBeG31fX40
◆日本ならば、お祓い・・・しかしながら形代の呪法で、”物質化”して憑いた魔物を流せるのでしょうか?