病院の待合室の長椅子に座っていると、出入り口が騒がしい。
見るからに高齢な腰を曲げた婦人が、一人で杖を衝いて入ってきたのです。
手を貸そうとした人と、何やらのやり取りが有った様。
そろりと私の横に座ろうとしたので、手を貸そうとしたら、「いいです。人は信じないから、いいのです」と思いがけない拒絶です。
良く聞こえなかった出入り口のやりとりは、同様に断ったのでしょう。
横に座った老女は、言い訳のように話し始めました。
「市役所の者と言って家に入り込み、みんな盗んでいった。市役所の人ではなかった。騙された。」
「他人は信用できないので、大切な物は市役所に預けてある」みたいなことを繰り返したのです。
高齢者の問題には・・
”盗難妄想”はありますが、しかし事実の場合もある。
高齢者を狙っての高額な訪問販売や、巧みに家に入り込み金目の物を盗む犯罪者もいます。
狡猾な犯罪者は、玄関などに老人の家との”目印のサイン”を残してから、期日を空けて再びくる。
また、その目印のサインを訪問販売仲間で交換し合い、別な商品を売りつける手口もある。
新興宗教の勧誘では、家の様子をデータ屋に売る商売にしている組織もあるようです。(一件○円)
玄関に出なくても、外に干した洗濯物から、家族構成を記録する者がいる。
ターゲットにされれば、何回でも人を変えて訪問してきます。
さて、
幼い子を連れた訪問者に甘いと見られたのか・・ターゲットにされたようです。