初期のテレビの電子チューナーを開発している頃です。
まだ、メカ製のチューナーは全盛ですが、
某社の電子チューナーは、もうすぐ量産体制に入る準備ができました。
ある、メカ製のチューナーを製造している大手の下請け会社を訪問しました。
技術担当の重役さんと、切り替えの為の打ち合わせしますが、何かピンとこない様子です。
長年、苦労して製造ラインを作り上げた人ですから、廃棄して新たなラインをとはならないようでした。
「うちは、もう少し様子を観させてください」と・・・
電子チューナーは、量産体制が整うと、一挙に市場に出ました。
その、大手の下請けさんは、まもなく倒産です。
優秀な技術陣を抱えたまま。
現在の日本社会は、
様子を覗っているだけかもしれませんね。
洞ヶ峠(ほらがとうげ)のようにです。
(日和見する事を、洞ヶ峠を決め込むと表現する事がある)
撃って出ないと・・
後には、滅びます。。
短稿でした。