(背中美人)
「低級霊が憑いている」
と、「おがみや」と呼ばれていた人の言動は、年端もいかない子供にとって残酷なものでした。
今なら、インナーチャイルドが傷つくとは、如何ようなものかが分かります。
動物や鳥たちと仲良くすることが、不思議な事でしょうか?
お釈迦さまの不思議を納得しても、普通の子供の不思議は、「低級霊が憑いている」と騒ぎます。
この言葉は、自分の森への気持ちを抑制させました。
封印していた気持ちを甦えさせて、
鳥たち、昆虫たち、杜の動物たち、森の木々、草花との交流を復活させるのに何十年の歳月が必要でした。
それほど、残酷な指摘なのですよ。
長い間、その大人を注視していました。
精神に病を抱えた人の家を、「低級霊が憑いている」、「祟り」と呟きながら触れ廻っていました。
聞きつけた家の人から、怒鳴り込まれることもあると・・・・
近所に、花を育てる優しいおばあさんが居ました。
野鳥が沢山飛んでくる家の人で、鳥たちに歌うように語りかけています。
不思議な見方を教えてくれました。
「もうすぐ死ぬ人には、お迎えが来るのよ」
「おがみや」さんにも、お迎えが来ましたょ」
「内緒、内緒ね」
と、微笑んでいました。
数日後、「おがみや」さんの家で葬式がありました。
子供におがみやさんが、纏わりつくのを気の毒に思っていたのですね。
不思議な能力を、ちらつと見せてくれました・・・
えっ!
その教わった見方は、憶えていませんょ。
背中を視るそうです・・・が。
あしからず。。(笑)
短稿でした。