寒さや霜害や積雪やらと農業には不適な冬季なのですが、原木栽培のしいたけは冬こそ適したキノコで農閑期の埋め合わせに最適な作物なのです。ところが、今季は年末の大雪から積雪が融けきらないままに又新年早々の積雪といった繰り返しで、ホダ木(植菌した原木)を林間部に立てかけて自然栽培している私のシイタケ達は発芽も少なく成長も遅く、せっかく成長してもホダ木が雪に埋もれているため収獲できないといった具合で最悪の状態です。
定年退職後、畑作やシイタケやらと農林業に見習いながら挑戦してきたわけですが、経営拡大する資力も借金までする体力もないため、年金を少し補う小遣い稼ぎ程度の農業収入しかありません。重労働だし気候などの自然現象の影響に左右されるし、農林業などなんのよいところもないのじゃあないかということですが、やめてしまおうという気には全くなりません。
農林業って「おかね」と言う面から言えばメリットの少ない営みですが、それを補ってあまりある魅力のある捨てがたい営みなのです。農業に従事できる状況に生きていることができると言うことは、「生きる」ということにとってとても贅沢な営みと言えるでしょう。
どのような魅力があるのか、どのように贅沢な営みなのか、私の実感を以下に挙げてみます。
まずは、自衛の農林業生活は植物やキノコの栽培が仕事の中心ですから、* 煩(ワズラ)わしい人間関係から解放される気楽さがあること。
* 労働に関わる時間をかなり自由裁量できるためコントロールできてストレスが少ない。
* 植物の栽培にしろ動物の飼育にしろ生き物を育てる仕事なので楽しくやりがいがある。
* 自然と関わりながら生産し収獲する営みは充実感を得ることができる。
* 日の出と共に働き始め、日の入りと共に仕事を終えると言った「太陽と共に生きている」との実感を得ることができる。
* 自らの身体を養う食物を自ら育てて食べることができるため、安心感と満足庵・喜びが得られる。
* 肉体労働はしんどいが、反面、自らの肉体を動かす作業は「身体・健康」と向き合い実感できる。自らが紛れもなく血の通った肉体を持つ生 物であるという「生命」を実感できる。
* 学歴は直接には無関係であること。
* 自家消費のみならず販売もするとなれば、消費者の評価が励みになるなど流通の喜びを味わうこともできる。
* 会社・工場等の勤務などと違い、家族と過ごすことができる時間が多い。
私が農林業を通して実感している魅力は以上のとおりです。
積雪もそのうちには融けるでしょうし、もう少し辛抱すれば春の兆しも確実に現れてきます。
うまく行かないこともありますが、不思議なもので悪いことばかりも続きません。日々が学びでゴールはありません。それがまた面白い。農作物(生き物)の栽培は手をかければかけただけの結果が正直に出てきます。かといって甘やかせばいいというものでもありません。
その点では、人間の子育て、教育とも同じですね。そりゃあ、人間もやっぱり「生物」ですもんね。農業はそう言う意味でも最も「人間的な」・「根源的な」営みといえるのでしょう。
さあ、冬の寒さに負けず乗り越えて、来たる春の訪れ、農業との再会に備えましょう。営みが繰り返せると言うことは幸せなことですね。
楽しみにして…… ごきげんよう。