中島みゆきさんの詞(詩)の素晴らしさというか凄(スゴ)みは以前から感じて述べもしてきたが、更に多様な詞に出会っていくと益々その詩に用いられている言葉の多彩さや含む意味や表現の深さに圧倒されている。
例えば……… (知っているようで知らなかった名曲、名詞も多いですねえ。私が知らないだけで)……
『永久欠番』なんて詞に出会いました。
「…(前略) 生きていたことが帳消しになるかと思えば淋しい 街は回ってゆく 人一人消えた日も 何も変わる様子もなく 忙しく忙しく先へと かけがえのものなどいないと風は吹く……(中略)…… どんな記念碑(メモリアル)も 雨風に削られて崩れ 人は忘れられて 代わりなどいくらでもあるだろう だれが思い出すだろうか ここに生きてきた私を 100億の人が 忘れても 見捨てても 宇宙(そら)の掌のなか 人は永久欠番」
『命の別名』においても……「……(前略) 何かの足しにもなれずに生きて 何にもなれずに消えていく 僕がいることを喜ぶ人が どこかにいてほしい 石よ樹よ水よ ささやかなものたちよ 僕と生きてくれ くり返す哀しみを照らす 灯をかざせ 君にも僕にも全ての人にも 命につく名前を「心」と呼ぶ 名もなき君にも 名もなき僕にも……(後略)……」
その他、例を挙げれば切りがないが…… 『世情』等も同様で…… 人生と言うこと、この世界に偶然にも生まれ出でて生きている・存在していると言うこと、「世界ー内ー存在」としてあると言うこと、生きることの意味、存在価値等と言った深く重いテーマを歌詞として、歌として作り上げて言っていると言うこと。
このような哲学的なテーマを歌うシンガーソングライターを私は他に知らない。
『永久欠番』においては、自己存在が「代替可能な存在」であるとの認識から実存を問うていく実存哲学的な歌詞である。そのような思想性が、年齢・性別・職業を問わず彼女の歌に接する人々の心に迫り、自己に、自己の生き方に目を向けさせ、自己存在に、人生に向き合わせ問わせるものになっているのであろうと考える。
気分・感性に影響する歌は多いが、心が揺れ動くところから更には思索にまで誘う歌詞はみゆきさんの特色であると思う。すばらしい。
みゆきさんのみならず、素晴らしい歌詞、素晴らしい曲、素晴らしい歌手を求めて聞いていきたい。
レコードやCDなどを買わずともユーチューブで音楽が聴けることを知って、あちらこちらと放浪してみるが、思わぬ曲や歌詞や歌い手に出くわすことがある。知らなかった素晴らしいものに出会えるときがある。それが楽しみであり、喜びである。
誰かに伝えたくなってのブログでした。……… ごきげんよう。