NHKの<NEWS WEB>で、来年のトレンド予測(リクルートホールディングスの予測発表に基づく)は「デュアラー」ということばがキーワードになると言うことを知りました。知りたがりの私は興味を持って早速調べてみました。私同様に知らなかった方に感想を交えてお知らせします。
デュアラーとは「都会と田舎の2つの生活(デュアルライフ)を楽しむ人」の意味だそうで、それなら、都市に住みながら田舎に別荘を持っているお金持ちが昔からやっていることじゃないか、いまさら珍しくもない、それが何故今年度のトレンドになるの? というのが最初の感想でした。東京に住んでいて軽井沢や箱根に別荘を持って……といったような……。
ところが「デュアラー」がトレンドになるのは、富裕層や定年退職後の熟年(老)夫婦のみならず20~30代の若者が、高価な別荘ではなく空き家やシェアハウスなどを安価に活用して都会と田舎の2拠点生活を楽しむことが流行になり始めていると言うことなのです。
2拠点生活をする人のうち、家計で言えば1千万円以上の年収のある人は約1/3、800万円未満が約半数強。年代から見れば20代~30代が6割弱で、定年退職後の60代はわずかに15%だとか。田舎暮らしをする場所は日常生活を送る都会から2時間未満の近場が60%、滞在日数は月平均2~5回(というと、週1か隔週かぐらいになりますか)が半数弱。デュアルライフをしてみての満足度は、満足とやや満足が約3/4になるとのことです。満足度が下がったとやや下がったが6%ですから、デュアルライフは好結果を示しています。
では、なぜ若いデュアラーが急増してきたのかという背景を考えてみると、
① 東京一極集中・都市回帰の反動として、田舎暮らしのニーズが高まってきたこと。
② 都市部で生まれ育った若い世代の中に、「故郷」や「田舎暮らし」への憧れを抱く人が増えてきたこと。「都市回帰」の反動としての「自然回帰」や子育て重視で豊かな自然に触れさせて多様な経験をさせたり、伸び伸びと子どもを育てたいと考える若い親が増えてきたこと等。
若者達の親の世代は田舎で生まれ育って、仕事を求めて都会に出てきて生活をしている世代ですが、その子どもである若者達は都会生まれの都会育ちで、盆や正月に里帰りする田舎を持っている友達をうらやましく思っていたのかもしれません。
③ 2拠点目である田舎の住居の持ち方(入手法・借用法)が多様化してきたこと。具体的には、シェアハウスなど住まいをシェアして安く借りる、急増している空き家を安く買う・借りる、親族から相続した家に住む等々、手軽に住めるようになった等々が考えられるようです。
デュアル生活のメリットは、都会暮らしの良さであるa豊富な仕事の選択肢や生活の利便性、b多様な教育プログラム、c多様なキャリアアップの機会等々を享受しながら、更に加えてd田舎暮らしの良さである豊かな自然、e趣味や新たなことへの挑戦、f多世代・多様な人との繋がり、g地域社会への貢献など自己承認欲求の充足等々の良さを享受してより一層豊かな生活を実現していける可能性が高いと言うことである。
先述のリクルートの「デュアルライフに関する意識・実態調査」によっても,実施後の変化についての調査結果が示されている。
それによれば、1位が「心にゆとりができた」(43%)、2位が「趣味が充実した」(34%)と「オン・オフの切り替えがよりできるようになった」(34%)、4位が「新しいことに挑戦する機会ができた」(29%)、5位が「田舎への愛着が深まった」(28%)であった。次いで6位「仕事の効率やモチベーションが上がった」、7位が「様々な経験・価値観に触れることができた」、8位が「健康になった」、9位が「家族仲が良くなった」、10位が「子どもが元気になった」であった。
上記の通り、「デュアルライフ」は都市生活者にとって精神生活を含めて生活全般が一層豊になる営みと言えよう。これは逆もしかりで、田舎生活者にとっても都市とのデュアルライフをすることができれば、その生活はより豊になると言うことに通じるのではないか。
デュアルライフを契機として都市生活者と田舎生活者との交流が深まり、更には都市生活者の田舎への移住が進展すれば田舎部の活性化にも繋がるであろう。田舎部の市町村・地方行政の政策として「デュアルライフ」は重要施策となるキーワードになるであろう。
以上、「デュアラー」という用語について、学んだこと、考えたことをメモしてみました。
それでは、今日はここまで……… ごきげんよう。