Sergei Bortkiewicz Concerto No.1 for piano and orchestra in B flat major,Op.16.
Sergei Bortkiewicz Concerto No.1 for piano and orchestra in B flat major,Op.16 Academic symphony orchestra "Philharmonia",Chernigiv,Ukraine Vyacheslav Zubkov-piano Mykola Sukach-conductor recording 2001
今日は、所用があって狭山市のとある場所に出かけましたが、秩父の山はうっすら雪を頂いていて冬の装いだなあと改めて感じ入ったところで橋を渡ると左手に富士山の真っ白な姿が飛び込んできてきました。何のこともなく、いたく感動しました。単純な奴なのです。
今日は、聴きますのはボルトキエヴィチです。セルゲイ・エドゥアルドヴィチ・ボルトキエヴィチ(Sergei Eduardovich Bortkiewicz 1877年2月28日 - 1952年10月25日)はロシアの作曲家でピアニストです。ハリコフ県ハリコフ(現ウクライナ)に、ポーランド人貴族の息子として生まれました。
ボルトキエヴィチはペテルブルク音楽院でリャードフやカール・フォン・アレックから音楽教育を受けましたが、ボルトキエヴィチは1900年にサンクトペテルブルクを後にし、ライプツィヒへと向かいます。その地でライプツィヒ音楽院に入学した彼は、共にリストの弟子であるアルフレート・ライゼナウアーにピアノを、ザーロモン・ヤーダスゾーンに作曲を師事しました。1902年に教育課程を修了した彼は、卒業に際してシューマン賞を授与されています。1904年の帰国後すぐに結婚し、その後ドイツに戻りベルリンに居を構え、この地で、彼は真剣な創作活動に入ります。
ボルトキエヴィチのピアノの流儀はリストやショパンを土台にし、チャイコフスキー、ラフマニノフ、初期のスクリャービン、ワーグナーそしてロシア民謡を盛り込んで発展させたものである。彼は20世紀の音楽の動向に影響を受けなかった。彼が自分を「現代人」だと見なしていなかったことは、1923年に記した「芸術家の信念 Künstlerisches Glaubensbekenntnis」からも知ることができる。彼の意匠は細に入っており、想像力は色鮮やかで繊細、ピアノ書法は独特である。瑞々しい楽器法は感傷的な旋律を生み出す能力による支えと不可分である。しかしボルトキエヴィチは単なる真似事をしたのではない。彼は人生の中で得たあらゆる影響を下敷きにまさに独自の様式を編み出したのであり、その感傷的で郷愁に満ちた音色はすぐにボルトキエヴィチだと認め得るものである。
当時のスクリャービンやラフマニノフほどの評価は高くなかったかもしれませんが、資料にあるように彼の筆致はロマン派の薫り高く、聴けばボルトキエヴィチだと感じ取ることのできる語法を持っています。彼は、当時の先鋭的な音楽には見向きもしなかったようです。自分は現代人ではないとさえ思っていたくらいです。
こういう頑固者も時には必要ですなあ!
Sergei Bortkiewicz Concerto No.1 for piano and orchestra in B flat major,Op.16.
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アレンスキー: ピアノ協奏曲、ロシア民謡による幻想曲、ボルトキエヴィチ: ピアノ協奏曲第1番~ロマンティック・ピアノ・コンチェルト・シリーズ Vol.4
スティーヴン・クームズ 、 イェジー・マクシミウク 、 BBCスコティッシュ交響楽団
【曲目】
アントン・アレンスキー(1861-1906):
ピアノ協奏曲 ヘ短調 Op.2
ロシア民謡による幻想曲 Op.48
セルゲイ・ボルトキエヴィチ(1877-1952):
ピアノ協奏曲 第1番 変ロ長調 Op.16
【演奏】
スティーヴン・クームズ(ピアノ)
イェジー・マクシミウク(指揮)、BBCスコティッシュ交響楽団
【録音】
1992年8月21-22日