フルートの出番です302 ムチンスキー「木管五重奏」作品45 | 翡翠の千夜千曲

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音楽を学びたい若者で困難や悩みを抱えている人、情報を求めている人のための資料集

Robert Muczynski Quintet for winds, Op. 45 -DIAMANT

Jooyoen Kim, flute 

Suji Chang , oboe 

HyunWoo Jeon, clarinet 

Hyunji Lee, bassoon 

Yeonjo Oh, horn

 

 

 

 

 晴れの日は好きです。それだけで気分がいい。しかしながら、この所の乾燥と寒暖差、更には花粉と来れば、コロナとインフルエンザで手いっぱいだった医師も、少し分野の違う方へと移動しつつあるらしい。変わらないのは、内科医だけでしょうか。

 いずれにしても、このお湿りで少しは楽になるかも知れません。そう言えば、故岩城宏之氏がウイーンフィルを指揮していた時の事、ベテラン奏者のアドヴァイスは「今日は、雨らしいからテンポは遅めの方がいいよ」 とか、「今夜は晴れだねえ、今日は少しばかりテンポアップで行こうよ」と言ったアドヴァイスをくれたそうです。今日は、さしずめテンポ遅めだね。

 ロベルト・ムチンスキー(1929年3月19日 - 2010年5月25日)はポーランド系アメリカ人の作曲家です。ムチンスキーはイリノイ州シカゴで生まれ、スタインメッツ高校に通い、1949年に卒業しています。その後、1940年代後半にデポール大学に入学し、アレクサンドル・チェレプニンに作曲を師事し、29歳でカーネギー・ホールにデビューし、自作のピアノ曲を演奏したといいますからピアノの腕も並み以上だったと思われます。
 シカゴのデポール大学でピアノをワルター・クヌプファーに、作曲をアレクサンドル・チェレプニンに師事し、ピアノ演奏で音楽学士号(1950年)と音楽修士号(1952年)を取得。その後、デポール大学、ロラス・カレッジ、ルーズベルト大学で教鞭をとり、1960年代にはツーソンに居を構え、アリゾナ大学のコンポーザー・イン・レジデンスおよび作曲科の主任教授として教鞭をとっています。1988年に引退するまで、この2つの役職を兼任していたようですから多忙な日々を過ごしたと思われます。
 ムチンスキーの作品は、アメリカ、ヨーロッパ、極東、オーストラリア、メキシコのプログラムにも頻繁に登場するようになります。オーケストラ作品は、シカゴ交響楽団、シンシナティ交響楽団、ナショナル交響楽団、ツーソン交響楽団、ミネソタ管弦楽団、その他海外でも演奏されている。ムチンスキーの、1996年の作品「Desperate Measures(パガニーニ変奏曲)」(ピアノのための)が最後の作品となりました。2010年5月25日、白血病のためアリゾナ州ツーソンで亡くなっています。

 緻密な書法乍ら、私たちにの耳にもなじみ易く、美しさや楽しさがあって演奏者にも聴衆にも楽しめる作品になっています。詳細は、佐野氏の説明に充分に取り込まれています。

 

※ 今日のミュージックダイヤリー

 

1743年2月19日- ルイジ・ボッケリーニ、作曲家、チェリスト誕生(+ 1805年)

1863年2月19日- エマヌエル・モール、作曲家、ピアニスト、楽器発明家誕生(+ 1931年)

        2段鍵盤のエマヌエル・モール式ピアノフォルテの発明者 

1927年2月19日- ロベルト・フックス、作曲家没(1847年)

1975年2月19日- ルイージ・ダッラピッコラ、作曲家没(1904年)

 

※ 演奏会のご案内⑫

 

※ 演奏会のご案内⑬

 

 

ムチンスキー、ロバート/木管五重奏曲 OP.45(1985)、スコア&パート譜

Muczynski, Robert QUINTET FOR WINDS, OP.45 (1985), SCORE & PARTS

<解説>

 現代アメリカの作曲家ムチンスキーの≪フルート作品全集CD≫[Marco Polo]で彼の『ソナタ Op.14 [Fl.&Pf.] (1960/61)』『二重奏曲Op.34[2Fl.](1973)』 と共に紹介され知られるようになった『木管五重奏曲 Op.45(1985)』で、オクラホマ木管五重奏に献呈され、1986年にカルフォルニアで開催された「音楽教育学者国際会議」の場で初演されました。第1楽章Allegro risoluto 3/4は自由な形式で書かれ、躍動感溢れるリズミカルな動機と美しい叙情的な旋律線が交互に現れます。第2楽章Andante 5/8 [3/8+2/8]は三部形式でバス・オスティナートの上に叙情性豊かな旋律が舞ます。中間部は変拍子[5/8]シチリアーノ風旋律が歌います。第3楽章Moderato 4/4は叙情的な美しい旋律が対位法的に模倣され、突如Allegro con spirito 2/4の急速で愉快なフガート主題へと展開してゆきます。再びAndante 5/4の静寂のコラールとなり、再度急速なフガート主題Allegro con sprito2/4となり、コーダは更に勢力を増し突進します。(解説/佐野悦郎)

 

Robert Muczynski: Sämtliche Werke für Flöte