ヴィターリ「ヴァイオリンとバッソコンテヌオと通奏低音の為のソナタ」 | 翡翠の千夜千曲

翡翠の千夜千曲

音楽を学びたい若者で困難や悩みを抱えている人、情報を求めている人のための資料集

Vitali: Sonatas Op. 11 for Violin and Basso Continuo

Tracklist: 

00:00:00 Giovanni Battista Vitali: Sonata in B flat: I. Capriccio Primo: vivace 

00:01:56 Giovanni Battista Vitali: Sonata in B flat: II. Giga: Allegro 

00:03:01 Giovanni Battista Vitali: Sonata in B flat: III. Capriccio per Violone 

00:06:43 Giovanni Battista Vitali: Sonata in B flat: IV. Gavotta: Presto 

00:07:37 Giovanni Battista Vitali: Sonata in G Minor: I. Balletto in Stile Francese: vivace 00:09:22 Giovanni Battista Vitali: Sonata in G Minor: II. Corrente alla Francese 00:10:42 Giovanni Battista Vitali: Sonata in G Minor: III. Borea: Presto 

00:11:44 Giovanni Battista Vitali: Sonata in E Minor: I. Capriccio Secondo: vivace 00:13:28 Giovanni Battista Vitali: Sonata in E Minor: II. Giga: Allegro 

00:14:28 Giovanni Battista Vitali: Sonata in E Minor: III. Gavotta: Presto 

00:15:36 Giovanni Battista Vitali: Sonata in C Minor: I. Balletto per Camera Primo: Largo 00:18:35 Giovanni Battista Vitali: Sonata in C Minor: II. Zoppa: Allegro 

00:19:38 Giovanni Battista Vitali: Sonata in C Minor: III. Gavotta: Presto 

00:20:42 Giovanni Battista Vitali: Sonata in E flat: I. Capriccio Terzo: Allegro 

00:22:44 Giovanni Battista Vitali: Sonata in E flat: II. Balletto Secondo per Camera: vivace 00:24:05 Giovanni Battista Vitali: Sonata in E flat: III. Giga: Allegro 

00:25:06 Giovanni Battista Vitali: Sonata in C: I. Introduzione: Largo–vivace 

00:27:13 Giovanni Battista Vitali: Sonata in C: II. Balletto: Allegro 

00:29:07 Giovanni Battista Vitali: Sonata in C: III. Borea: Presto 

00:30:06 Giovanni Battista Vitali: Sonata in C: IV. Ciacona per Violone 

00:32:06 Giovanni Battista Vitali: Sonata in A: I. Balletto: vivace 

00:34:05 Giovanni Battista Vitali: Sonata in A: II. Giga: Allegro 

00:35:08 Giovanni Battista Vitali: Sonata in A: III. Gavotta: Presto 

00:36:15 Giovanni Battista Vitali: Sonata in D: I. Capriccio: Allegro 

00:37:59 Giovanni Battista Vitali: Sonata in D: II. Giga: Allegro 

00:39:36 Giovanni Battista Vitali: Sonata in F: I. Introduzione: Largo–Allegro 

00:41:37 Giovanni Battista Vitali: Sonata in F: II. Giga: Allegro 

00:42:44 Giovanni Battista Vitali: Sonata in F: III. Sarabanda: Presto 

00:43:43 Giovanni Battista Vitali: Sonata in A Minor: I. Introduzione: Largo 

00:47:07 Giovanni Battista Vitali: Sonata in A Minor: II. Balletto: vivace 

00:48:24 Giovanni Battista Vitali: Sonata in A Minor: III. Giga: Allegro 

00:49:51 Giovanni Battista Vitali: Sinfonia à 6 in D Minor: Grave – Adagio – Presto 00:54:39 Giovanni Battista Vitali: Toccata for solo Violin 

00:56:05 Giovanni Battista Vitali: Grave à 6 (Omaggio a Vitali di Luigi Cozzolino) 00:57:58 Giovanni Battista Vitali: Barabano

 

 

 

 今日は、久々にソナタを聴いて見ます。以前にも少しだけソナタ形式について触れましたが、今日は改めて復習してみましょう。ヴィターリと言う人の作品を参考にしてみたいと思います。では、いつも通り人物についてあらましをおさらいしておきます。

 ジョバンニ・バティスタ・ヴィターリ(Giovanni Battista Vitali、1632年2月18日 - 1692年10月12日)は、イタリアのヴィオローネ奏者で歌手、そして作曲家でした。ボローニャ出身。聖ペトロニオ大聖堂の楽長のマウリツィオ・カッツァーティに学び、1658年から歌手およびヴィオローネ奏者として活動を始めています。1666年にアカデミア・フィラルモニカ・ディ・ボローニャが設立されると創設メンバーの一人に加わります。1773年に聖十字架教会の楽長に就任したが、ドメニコ・ガブリエリと並んで、モデナ公国の活気ある宮廷に招かれて活躍した何人かの重要な音楽家の一人です。若き公爵フランチェスコ2世は教養豊かな王子で、芸術を愛し、誰もが認める優れたヴァイオリニストでした。ガブリエリはチェロのパイオニアであり、ヴィターリは「ヴィオローネ」(大型のバス・ヴァイオリン)の名手であり、新しいチェロにも精通していました。公爵から招かれて副楽長となり、1684年に宮廷楽長に昇進しています。コレッリも公爵から誘いを受けたようですが、丁重に断り作品3をフランチェスコに献呈しています。ヴィターリは宮廷に4代続く音楽王朝を築いたことで知られています。
 教会のカンタータやオラトリオ、ソナタを作曲していますが、特にトリオ・ソナタの発展に貢献し、作曲家アルカンジェロ・コレッリやヘンリー・パーセル、ジュゼッペ・トレッリは彼の作品に影響を受けたと言われています。

 ソナタの話に移りますが、現在呼ばれているソナタとヴィターリの頃では相当な違いがあります。

 ソナタ(イタリア語: sonata(ソナータ))とい総称は、クラシック音楽の器楽曲、室内楽曲の形式の一つをさします。多くは複数楽章から構成され、「ソナータ」は、「鳴り響く」という意味の「ソナーレ(イタリア語: sonare)」と言う言葉がもとになっています。「演奏されるもの」という意味で、「歌う( cantare)」に由来する、「カンタータ( cantata、「歌唱されるもの」の意)と対比されるものです。日本では 奏鳴曲(そうめいきょく)などとも言われます。このように、最初は決まった定義はなく、次第に様々な工夫がされていきます。

バロック時代までのソナタは、おおよそ3つに分類されます。

 ① 教会ソナタ - 緩−急−緩−急の4楽章、舞曲風の楽章を含まない
 ② 室内ソナタ - 急−緩−急の3楽章が多い。舞曲風の楽章を含む。宮廷ソナタ、 

  世俗ソナタとも言われます。
 ③ トリオソナタ - 3声部からなるソナタ。様式上の分類である上の二形式に対 

  し、楽器編成上の分類。通常、単音楽器×2+通奏低音(低音楽器+和音楽器)

 これに対して私たちがよく聴いたり演奏するのは、古典派の時代に確立された二つの主題を持つソナタ形式からできていて、更には提示部、展開部、再現部の三つから出来上がっている作品を意味します。ピノソナタのように独奏から独奏楽器を伴うもの、複数の楽器によるもの、オーケストラ作品まで幅広くあります。短楽章の作品もありますが、多くの場合は復数章からできています。

 これを、要約してみますと以下のようになります。

 音楽は、歌唱から始まりましたから、カンターレだったでしょう。良く鳴り響くことは、歌謡でも器楽でもたいせつですが、ソナーレ自体が演奏されるものと言う意味を含んでいましたから自然に良くなりびく楽器の音楽を意味するようになります。

 最初は、短楽章の作品でしたが、複数の楽章へと発展していきます。この時、人はシンメトリックや対比を与えると変化ができて収まりがよくなることを既に知っていましたから、自然に3つや4つの楽章に発展していきます。

 この形は、2つの主題を対比させると更に複雑で堅牢な音楽の構造へと発展していきます。手っ取り早い説明をしましょう。ベートーヴェンの5番の交響曲の冒頭は下降系の3度の鋭い第1主題(譜例1)ですが、これに対し第2主題(譜例2)は上向系で柔らかな響きになっています。

 

     

      譜例1              譜例2

 このような対比によって、少なくとも音楽作品は単純に考えて2倍の構造物になりえる訳です。とはいえ、今日はバロック時代のソナタの話ですから気軽に聞いてみてください。ついでのついでのソナタ形式でした。

 

※ 演奏会のご案内⑫

 

※ 演奏会のご案内⑬

 

Giovanni Battista Vitali: Sonaten op.11 (1684)

ィターリ:様々なソナタ集 Op.11(1684)(6つの楽器のためのフランスとイタリアの様々なソナタ集)

● 室内シンフォニア
● 組曲第1番
● 組曲第2番
● 組曲第3番
● 組曲第4番
● 組曲第5番
● 組曲第6番
● 組曲第7番
● 組曲第8番
● 組曲第9番
● 組曲第10番

 イタリコ・スプレンドーレ

 録音時期:2017年10月
 録音場所:イタリア
 録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)