ハートマン「ピアノ三重奏」変ロ長調 | 翡翠の千夜千曲

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Emil Hartmann: Piano Trio in B-Dur Op.10 (1867)

エミール・ハートマン(1836-1898)はデンマークの作曲家で、ヨハン・ペーター・エミリウス・ハートマン(1805-1900)の息子。また、ニルス・ゲーゼとは義理の兄弟。

 印田千裕(violin), 竹内康高(cello), 山田美帆(piano).

 

 

 

 

 今日から二月です。能登地震から一か月も経ちましたが、なかなか手の着かない状態が続いていて、気にかかっています。天気情報では、今日の昼頃には16度くらいになると言っています。16度と言えば、3月頃の陽気です。能登の人にとっては少しばかり良いニュースかもしれません。過ごしやすいと言う意味ではいいのですが、夏のことを思うとあまり手放しでは喜べません。遠くでは、河津桜が咲いたと言うニュースもあります。我が家の庭の水仙も芽を出し始めていて、植物は自分の出番に備えています。

 今日の作曲家は、デンマークの人です。私たちは一口に北欧と呼びますが、どことどこを指すのでしょうか。答えは、デンマーク、グリーンランド、フェロー諸島、スエーデン、フィンランド、オークランド諸島、ノルウエー、アイスランドです。ちなみに、フェロー諸島はデンマークの自治領で オークランド諸島はフィンランド領ですが母語はスウェーデン語と言うように微妙な位置関係にあります。このうち、スエーデンとデンマーク、ノルウエーはスカンジナヴィアと言われています。

 エミール・ハートマン(Emil Hartmann 1836年2月1日 - 1898年7月18日)は、デンマークの作曲家です。動画の説明にある通り、作曲家であるヨハン・ペーター・エミリウス・ハートマンの長男で、ニルス・ゲーゼ、アウグスト・ヴィンディングは義兄弟です。息子のオルフ・ハートマンは画家になりました。

 ハートマンははじめ、父親と義理の兄であるゲーゼから指導を受け、幼少期のから作曲を始めていました。その後、コペンハーゲン大学にて学び、1858年にバレエ「Fjeldstuen」へ作曲を引き受け、彼は初めての大作となる作品を上演しています。その後、1859年に奨学金を得て、ドイツへ留学し大半をライプツィヒで過ごした。留学を終えてデンマークへ帰国し、1861年からはコペンハーゲンのセント・ヨハン教会でオルガニストの職を得、1871年からはクリスチャンスボー城の教会でオルガニストを務めています。

 このトリオではシューマンを彷彿とさせるような北欧風のロマン派、オーソドックスな作品傾向です。穏やかで、美しい旋律が聴きどころです。ゲーゼやニールセンほどの高名ではありませんが、味わい深い音楽があります。再三書いていますが、余り知られていない作曲家の作品を探して蘇演することは、演奏家の権利でもあり宿命と言ってもいいかもしれません。

 

※ 演奏会のご案内⑫

 

 

 

     IMSLP ハートマンピアノ三重奏曲

 

The Eskar Trio*, Hartmann*, Heise*, Barnekow* – Romantic Danish Piano Trios

Trio In B Flat Major, Op.10
Composed By – Emil Hartmann
1 Poco andante – Allegro    
2 Scherzo, Allegro Vivace    
3 Andante    
4 Finale, Poco Andante – Allegro Vivace    
Trio In E Flat Major
Composed By – Peter Heise
5 Allegro Molto Risoluto    
6 Andantino    
7  Maesto – Vivace E Scherzando    
8  Allegro Con Spirito    
Trio In F Sharp Minor, Op. 1
Composed By – Christian Barnekow
9  Allegro    
10 Andante Con Moto    
11 Vivace    
12 Allegro Con Brio