小倉朗:オーケストラのためのブルレスク / R.Ogura:Burlesque for Orchestra / Fellow Orchestra
Roh Ogura [小倉朗]: Dance Suite for Orchestra (1953)
小倉朗: 管弦楽のための舞踊組曲
1. Allegro (Andante) 00:00
2. Allegro ritmico 02:53
3. Andante 05:45
4. Allegro leggiero 10:15
New Symphony Orchestra, Japan Yasushi Akutagawa, conducting
Recorded: 1, February, 1987 Live at Suntory Hall
何はともあれ、日本的センチメンタリズムのかけらもないなどとは言うもおこがましい。この爆発的なエネルギーは、小倉朗の生き方そのものかも知れません。日本の作曲家の萌芽期の一人と言える人物です。伊福部昭が14年生まれですから、ほぼ同期と言っていいでしょう。
小倉 朗(おぐら ろう、1916年1月19日 - 1990年8月26日)は、日本の作曲家です。1933年、早稲田第一高等学院中退。1934年、東洋音楽学校中退。1936年、明治大学文芸科中退とまあよくも中退を繰り返しています。一時期は、ドイツ音楽に傾倒し「オグラームス」というあだ名まで頂戴したと言います。
私が思うには、誰かに影響され没念することは危険でもありますが、音楽や絵画、文学など芸術面においては良いことだと思います。その後そこを脱する時に自分の道を見つけたり、その人らしさが登場する気がします。「守・破・離」に似た構造がそれかと思います。小倉朗は、バルトークをその後知り、新境地を開きます。「オーケストラのためのブルレスク」や「管弦楽のための舞踊組曲」はそうした産物とも言えます。
また、こうした先達を取り上げた芥川也寸志と新交響楽団の一連の取り組みは時代的に見ても、大きな価値のあるものでした。
日本の交響作品展がそれです。
- 1976年「日本の交響作品展 昭和8年〜18年 第1夜」:平尾貴四男『古代讃歌』/ 箕作秋吉『小交響曲ニ長調』/大木正夫『組曲「五つのお伽噺」』/尾高尚忠『日本組曲』/早坂文雄『古代の舞曲』
- 1976年「日本の交響作品展 昭和8年〜18年 第2夜」:清瀬保二『日本祭礼舞曲』/安部幸明『小組曲』/高田三郎『山形民謡によるバラード』/諸井三郎『小交響曲変ロ調』/伊福部昭『交響譚詩』
- 1978年「小倉朗交響作品展 第1夜」:小倉朗『交響組曲イ短調』『日本民謡による5楽章』『オーケストラのためのブルレスク』『交響曲ト調』
- 1978年「小倉朗交響作品展 第2夜」:小倉朗『オーケストラのための舞踊組曲』『ヴァイオリン協奏曲』『弦楽合奏のためのコンポジション』『オーケストラのためのコンポジション嬰へ調』
- 1979年「日本の交響作品展3 早坂文雄」:早坂文雄『映画音楽「羅生門」から』『古代の舞曲』『左方の舞と右方の舞』『管弦楽のための変容』
- 1980年「日本の交響作品展4 伊福部昭」:伊福部昭『オーケストラとマリムバのためのラウダ・コンチェルタータ』『ヴァイオリン協奏曲第二番』『タプカーラ交響曲』
- 1981年「日本の交響作品展5 菅原明朗」:菅原明朗『交響写景「明石海峡」』『チマローザの断章による合奏協奏曲』『アコーディオンのための協奏交響楽』『交響的幻影 イタリア』『Fantasia』
- 1982年「日本の交響作品展6 清瀬保二」:佐藤敏直『哀歌』/清瀬保二『郷土舞踊』 『エレジー 亡き母に捧ぐ』『古代に寄す』『ピアノ協奏曲』『日本祭礼舞曲』
- 1983年「日本の交響作品展7 青春の作曲家たち」:小倉朗『交響組曲イ短調』/松平頼則『南部子守唄を主題とするピアノとオルケストルの為の変奏曲』/戸田邦雄『交響幻想曲「伝説」』/渡辺浦人『交響組曲「野人」』/別宮貞雄『管弦楽のための「二つの祈り」』
- 1984年「日本の交響作品展8 東北の作曲家たち」:伊藤俊幸『オーケストラの為のコンポジション』/佐藤喜美『前奏曲「エメラルドの幻影」』/林芳輝『筝と管弦楽の為のラプソディ』/安達弘潮『語部とオーケストラの為の交響的物語「遠き神々の物語」』/片岡良和『抜頭によるコンポジション』
- 1985年「日本の交響作品展9 小山清茂」:小山清茂『管弦楽のための「信濃囃子」』『弦楽のための「アイヌの唄」』『テープを伴った管弦楽のための「鄙歌」第1番』『管弦楽のための「うぶすな」』『交響組曲「能面」』
- 1986年「日本の交響作品展10 芥川也寸志」:芥川也寸志『交響曲第一番』『エローラ交響曲』『アレグロ・オスティナート』『絃楽のための三楽章』『交響管絃楽のための音楽』
その後、この取り組みは芥川が亡くなった後も続けられ細川俊夫などの作品も演奏されました。これらの小倉の作品は吹奏楽版もあり多くの学生やプロアマを問わず吹奏楽団でも演奏されています。
現代日本の音楽
小倉朗 作曲
芥川也寸志 (アーティスト, 指揮), & 4 その他 形式: CD
ディスク: 1
1 原始的舞踊
2 エレジー 挽歌 -亡き母に捧ぐ-
3 古代に寄す I.Introduction
4 古代に寄す II.Dance
5 古代に寄す III.Finale
6 ピアノ協奏曲 I.Allegro
7 ピアノ協奏曲 II.Andante
8 ピアノ協奏曲 III.Allegro
9 日本祭礼舞曲 I.Moderato
10 日本祭礼舞曲 II.Lento tranquillo
11 日本祭礼舞曲 III.Allegro
ディスク: 2
1 交響組曲 イ短調 I.Allegro
2 交響組曲 イ短調 II.Allegro ritmico
3 交響組曲 イ短調 III.Andante
4 交響組曲 イ短調 IV.Allegro
5 管弦楽のための舞踊組曲 I.Allegro(Andante)
6 管弦楽のための舞踊組曲 II.Allegro ritmico
7 管弦楽のための舞踊組曲 III.Andante
8 管弦楽のための舞踊組曲 IV.Allegro leggiero
9 オーケストラのためのブルレスク
10 交響曲 ト調 Allegro
11 交響曲 ト調 Andante
12 交響曲 ト調 Allegro
13 交響曲 ト調 Maestoso-Allegro vivo
14 オーケストラのためのコンポジション 嬰ヘ調 Andante con moto
15 オーケストラのためのコンポジション 嬰ヘ調 Maestoso-Presto-Andante-Grave
16 オーケストラのためのコンポジション 嬰ヘ調 Molto Moderato-Animato-Molto Moderato