キュイの音楽を聴く | 翡翠の千夜千曲

翡翠の千夜千曲

音楽を学びたい若者で困難や悩みを抱えている人、情報を求めている人のための資料集

César Cui - Everywhere Snow - Op.77 n.2

 

Orientale- César Cui

 

César Cui - Nocturne in F Sharp Minor

César Antonovich Cui: "Nocturne in F Sharp Minor" (from "Quatre Morceaux", 1883)

 Performed by Philip Edward Fisher, from the CD "Piano Works by The Mighty Handful" (Chandos, 2011). 

The images are landscapes by Austrian-Czech painter Adolf Chwála (1836-1900).

 

César Cui - Orchestral Suite No. 4 À Argenteau Op. 40

César Cui - Orchestral Suite No. 4 À Argenteau Op. 40 (processing pieces of «À Argenteau» for piano, op 40, 1887) 

I Le cèdre 

II Sérénade - 8:30 

III La petite guerre - 11:52 

IV À la chapelle - 13:36 

V Le rocher - 17:28 

Czeho-Slovak Radio Symphony Orchestra (Bratislava) 

Robert Stankovsky, conductor

 

 

 ブララームスの気難しさと口の悪さには定評があったようですが、この男ほどは酷くなかったと言っていいようです。身内の五人組にすら、容赦はしなかった。最も最終的には、持ち上げもしたようですから、自分でも少しは自覚していたのかもしれません。

 更に言えば、「五人組」以外のロシアの作曲家は、頻繁に酷評されていました。これは少なくとも、「五人組」が実践してきたような独学的な姿勢に肩入れするあまり、多少なりとも、西欧流の音楽学校方式への不信感のなせるわざと言えます。チャイコフスキーの再演されたオペラ「オプリチニーク(親衛隊」に痛罵を浴びせたのは、ほんの一例でと言います。ですが、お聴きになればお判りのように、実は彼こそきわめてロシア的ではない作曲家とも言えるのです。

 以前、「5つの小品」にも書きましたが、大よそ風貌から受ける印象とは全くと言っていいほどかけ離れた感性を感じる、繊細でロマンチストで流麗な音楽を生み出します。軍人としての訓練によって最前線とも言うべき場所で過ごしながら、言わば余技として作曲をしていたのですが自前の才能が開花しアマチュアの域を超えてしまいます。キュイの音楽が大きく変化を遂げるのは、バラキレフとの出会いが決定的なものとなりました。キュイは多くのジャンルで作品を残していますが、オペラに特に関心があったようです。

 ロシア楽壇におけるキュイの活動は、マリインスキー劇場のオペラ選定委員会の委員職も含まれていた。だが1883年に同委員会が、ムソルグスキーの《ホヴァーンシチナ》の受理を拒否すると、抗議の意味からリムスキー=コルサコフとともに辞職した。1896年から1904年まで、ロシア音楽協会ペテルブルク支部の支部長に就任した。

キュイが生涯に知った数多くの音楽家のうちでも、フランツ・リストの影が大きい。リストはロシアの作曲家を非常に高く評価し、キュイの歌劇《ウィリアム・ラトクリフ》にこの上ない賛辞さえ送っている。キュイの著作『ロシアの音楽 La musique en Russie 』や《ピアノ組曲 Suite pour piano 》作品21は、老リストに献呈されている。しかもキュイの管弦楽曲《タランテラ》作品12は、リストの最後のピアノ用トランスクリプションの原曲となった。

 今日は、歌劇は取り上げませんが、キュイの作品の傾向が分かる合唱曲、ヴァイオリンとピアノの作品、ピアノ曲と管弦楽作品を並べました。雪国育ちの私としては、最初の女声合唱「どこも雪ばかり」(翡翠訳)雪が降る日の無音室にいるがごときの静寂を感じさせる鋭い感性を感じさせます。

 ロシアの作曲家としては、それほどメインを飾る人物ではないかもしれませんが、味わい深い作品が多いので演奏家の皆さんにはぜひ取り上げてみてほしいと思います。

 

※ 以前の記事

○ フルートの出番です177  キュイ[5つの小品]op.56

 

※ 演奏会のご案内⑪

 

※ 演奏会のご案内⑫

 

アンコール! ヴァイオリン愛奏曲集

五嶋みどり (アーティスト)  形式: CD

1 (プニャーニのスタイルによる)前奏曲とアレグロ
2 ハバネラ 作品21-2
3 カンタービレ ニ長調 作品17
4 オリエンタル 作品50-9~「万華鏡」から
5 オベレック第2番
6 愛の挨拶 作品12
7 ウィーン風小行進曲
8 4つの前奏曲~24の前奏曲 作品34から 第10番 作品34-10 モデラート・ノン・トロッポ
9 4つの前奏曲~24の前奏曲 作品34から 第15番 作品34-15 アレグレット
10 4つの前奏曲~24の前奏曲 作品34から 第16番 作品34-16 アンダンティーノ
11 4つの前奏曲~24の前奏曲 作品34から 第24番 作品34-24 アレグレット
12 朝の歌 作品15-2
13 序奏とタランテラ 作品43
14 スラヴ舞曲ホ短調 作品72-2
15 行進曲~歌劇「3つのオレンジへの恋」から
16 メロディ 作品42-3~「なつかしい土地の思い出」から
17 アレトゥーサの泉 作品30-1~「神話」から
18 シンコペーション
19 精霊の踊り(メロディ)~歌劇「オルフェオとエウリディーチェ」から
20 子守歌 作品16
21 エチュード 変ニ長調 作品8-10
22 ルーマニア民俗舞曲Sz.56 I.棒踊り-アレグロ・モデラート
23 ルーマニア民俗舞曲Sz.56 II.腰帯踊り-アレグロ
24 ルーマニア民俗舞曲Sz.56 III.足踏み踊り-アンダンテ
25 ルーマニア民俗舞曲Sz.56 IV.ホーンパイプ踊り-モルト・モデラート
26 ルーマニア民俗舞曲Sz.56 V.ルーマニアのポルカ-アレグロ
27 ルーマニア民俗舞曲Sz.56 VI.速い踊り-アレグロ
28 子供の夢 作品14