Goffredo Petrassi, Dialogo Angelico per due flauti - Andrea Lieberknecht, Hyeri Yoon
20.03.2017, Seoul Arts Center, IBK Chamber Hall
どうやら今年は青山学院大学が返り咲くようです。私の住んでいる近くにある駿河台大学は、タスキが繋がらず残念です。同じく近場の城西は今までで一番いい記録になりそうです。
今日聴く作品は、フルートの二重奏です。「天使の対話」ってこんな感じなんですかね?ゴッフレード・ペトラッシ(Goffredo Petrassi, 1904年7月16日 - 2003年3月3日)はイタリアの現代音楽の作曲家です。
当初は当時の流行りもあった新古典主義と旋法性の作品から始めていますが、やがて無調や十二音技法の作品へと手を染めていきます。そうは言いながらも、前衛の時代にどっぷり迎合するタイプではありませんでした。独自の音楽語法を考えながら作曲を続け、叙情性の極度の抑制と響きの純度の高さは他の追随を許しません。
イタリア人で初めて「管弦楽のための協奏曲」を作曲したのはマリオ・ピラーティですが、ペトラッシはこの分野で8曲の力作を残した。どれも質の高い管弦楽曲で、音源も入手できます。1934年に作曲された第一番の第三楽章は映画「スーパーマン」のサウンドトラックによく似ていると言われます。1970年代に入ると枯れた味わいのギターソロの為の「NUNC」を書いています。
ルイージ・ダッラピッコラ、ジャチント・シェルシと並んで20世紀イタリア音楽の三大巨匠と呼ばれています。晩年までペトラッシ国際作曲コンクールの審査委員長を自ら杖を突きながら務めるなど、後輩の才能の発掘にも熱心でした。過去の受賞者には日本人の松平頼則などがいます。ちなみにこのフルートの作品は1948年の作品です。
Petrassi, Goffredo DIALOGO ANGELICO
<解説>
ペトラッシはダラピッコラと同年生まれであり 「新イタリア音楽の双生児」 と呼ばれた作曲家です。ローマを拠点に活躍し、1930年以降A.カゼッラの影響を受けて新古典主義様式から現代音楽の書法を組み込み、色彩感溢れる音楽を書きました。第二次大戦後は12音技法を採り入れ、イタリア現代音楽の巨匠S.ガッゼローニと共に新しい楽器の響きを探究して現代特殊奏法の開拓、確立に貢献し、多くの曲が生まれました。この 『天使の対話 (1948) 』 もその一つで、2本のフルートが対話をする様に、旋律を模倣する対位法的な書法で書かれ、P.ジョルダーニの思い出のために捧げられました。この美しい神秘的な響きの名二重奏曲は、我が国ではフルート現代曲集 『GAZZELLONI Plays Modern Flute Music Vol. 2』 のレコードで30年程前に紹介されました。演奏時間が僅か4分半程の短い曲ですが、現代音楽隆盛時代を偲ぶ、懐かしい、とても思い出深い作品です。(解説/佐野悦郎)
JEAN-PIERRE RAMPAL & ANDRAS ADORJAN(LIVE REC.)
ジャン=ピエール・ランパル&アンドラーシュ・アドリヤン (ライヴ録音)