Gounod, FAUST. Teatro La FENICE, Venezia. Frédéric Chaslin, June 2021
Angela Gheorghiu - Gounod: Serenade - Barcelona 2004
この混迷期とも言える時期は、オペラやオペレッタ、コミックオペラの勃興期・全盛期でもあり傑作から駄作まで勢ぞろいと言えます。時代順で言えば、筆頭格のシャルル・グノーは天才肌の人で、ホルンの出番です109 グノー「ホルンのための6つのメロディ」、フルートの出番です178 グノー「コンチェルティーノ」などを以前に紹介しました。
下に示した2名は、本来同列に扱うべき存在とは言えませんが、グノーのオペラを紹介しつつ、名前くらいは留めておくべきかと苦し紛れのコーナーを一つ儲けることとしました。人物像については、おおよその内容を前の記事に示してありますので割愛します。
「ファウスト」( Faust)は、グノーが作曲した全5幕のオペラです。ドイツの文豪ゲーテの劇詩『「ァウスト」を題材にしていますが、原作がドイツ語なのに対して、オペラはフランス語で上演されます。初演は1859年3月19日に、パリのリリック座で行われています。「清らかな住まい」や「金の子牛の歌」、「宝石の歌」などのアリア、第5幕で踊られるバレエ音楽が有名で、単独で演奏会や録音で取り上げられることが多いようです。
なお、セレナーデも有名ですので2番目に挙げてあります。下段はリストの編曲による「ファウストのワルツ」です。
古海 行子/グノー=リスト編:歌劇「ファウスト」のワルツ S.407(第40回入賞者記念コンサート G級【金賞】)Liszt - Valse de l'opéra "Faust"
グノーが誕生した次の年に誕生したのが、ジャック・オッフェンバックであり、フランツ・フォン・スッペでしょう。スッペに関しては、フランツ・スッペ「軽騎兵」序曲「スペードの女王」序曲を紹介してあります。スッペは、「ウインナ・オペレッタの父」とも呼ばれ、ヨハン・シュトラウス二世の傑作「こうもり」を生み出すきっかけになっています。
一方ジャック・オッフェンバックには、その作風から擁護派と反対派が常に争った様子が伝わっています。面白い人物ではありますが、音楽史的には名前程度に留めます。
オッフェンバックの成功には生前からかなりの否定的評言がつきまとっていた。彼を非難する人々はオッフェンバックがフランスの劇音楽を〈低俗〉にし、高尚な芸術を目指す素振りも見せないと憤り、彼が他の作曲家の作品を借用するのを不敬と考えた。黄金期から爆発的な人気と反比例するかのように、痛烈な風刺、退廃的な快楽主義は知識人からの批判も多かった。エミール・ゾラは「オペレッタとは、邪悪な獣のように駆逐されるべき存在」とまで書いている。
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その後、クララ・シューマン、教則本で有名なハノン、グルリット、ドップラー(下段)などの名前が見えますが、次回は、セザール・フランクを訪ねます。
① フルートの出番です⑪ ドップラー「ハンガリー田園幻想曲」
② フルートの出番です㉑ ドップラー「フルートとピアノのためのデュエッティーノ」
~仏ディアパゾン誌のジャーナリストの選曲による名録音集
構成数 | 12枚
【曲目】
《CD1-3》
・グノー:歌劇《ファウスト》
ニコライ・ゲッダ
《CD4-5》
・グノー:歌劇《ミレイユ》
《CD6-7》
・グノー:歌劇《ロメオとジュリエット》
《CD8-10》
・ビゼー:歌劇《カルメン》
《CD11-12》
・ビゼー:歌劇《真珠とり》
《ボーナス・トラック》
グノー:ポリュクト、いやいやながら医者にされ、サッフォー、からのアリア、他