Johan Svendsen: Romance for Violin and Orchestra, Op. 26
Norwegian Chamber Orchestra Terje Tønnesen, leader
このノルウエー・チェンバーオーケストラは私のお気に入りの一つです。出会いは、グリークの「ホルベアの時代」の演奏でした。なかでも、リゴドンの演奏は茶目っ気たっぷりで、尚且つ微妙な間とテンポ感の変化は素晴らしいものです。
さて、今日聴くヴァイオリンとオーケストラのためのロマンスは同じタイトルを持つ曲が数多く存在しますが、作曲者はスヴェンセンです。他にもベートーヴェン、ドヴォルザーク、サンサーンス、ヴォーン=ウィリアムズなどの作品があります。
ヨハン・セヴェリン・スヴェンセン(Johan Severin Svendsen, 1840年 - 1911年)は、ノルウェーの作曲家でヴァイオリニスト、指揮者でした。スウェーデン統治下ノルウェーのクリスチャニア(現オスロ)に生まれ、生涯のほとんどをデンマークのコペンハーゲンに過ごし、70歳で同地にて他界しました。
親友にしてより高名な作曲家のグリーグとは対照的に、スヴェンセンは響きの美しさというよりは、管弦楽法の技巧によって名を揚げた。グリーグがたいてい小編成のために作曲したのに対して、スヴェンセンはもっぱら大編成の、とりわけオーケストラの作曲家であった。最も有名な作品は、ヴァイオリンと管弦楽のためのロマンスである。存命中は、作曲家や指揮者として非常に人気があり、国から数々の栄誉を授けられた。
スヴェンセンはグリークより3歳年上ですがほぼ同じ時代を生きています。上の解説にある通り、オーケストレーションは大変うまいです。このロマンスも冒頭は穏やかに始まりますが、演奏は次第に熱を帯びて熱い思いを奏でますが、やがて愛おしいものを包み込むように消えていきます。レントの部分を除けばフルートでの演奏も可能です。
今まであまり聴く機会がないようでしたら、これをきっかけに北欧の作曲家を訪ねてみてはいかがでしょう。以前には、立野泉さんのCDを紹介したことがありますが、それはピアノの小品集のようなものでした。
※ 以前の記事
※ 編集後記:以前同じタイトルで記事を書いていましたので「ホルベアの時代」は、そちらの記事かも知れません。
スヴェンセン、J.S.:ロマンス/ヴァイオリン・ピアノ(PE)