フルートの出番です139 「シャルパンティーエとリュリの音楽」バロック中期の音楽2 | 翡翠の千夜千曲

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Charpentier - Marche pour les trompettes - Prelude Te Deum - w. HERVÉ NIQUET

 

     

Marc-Antoine Charpentier - Prelude from Te Deum in D major, H.146 for flute and piano

 

     

     Te Deum - Charpentier (Eurovision Theme) on double flute

 

     

       Noëls sur les instruments - Marc-Antoine Charpentier

 

 

 

  昨日に続いて、バロック中期の作曲家を訪ねます。今日は、シャルパンティーエの音楽を聴いてみましょう。聴いているとずっとユニゾンのように聞こえるかもしれませんが、3度や5度が鳴ってはいます。おそらく旋律線を強調しているのだと思います。妙な一体感が生まれてきますから、そういった効果を狙ったのかもしれません。

  マルカントワーヌ・シャルパンティエまたはマルク=アントワーヌ・シャルパンティエ(Marc-Antoine Charpentier, 1643年 - 1704年)はフランス盛期バロック音楽を代表する作曲家です。多作で洗練された作曲家であり、ジャン=バティスト・リュリと同時代の人です。フランス宮廷とほとんど関連を持たず、現代になって重要性が再認識されたため、生涯や経歴に不明な点が多いようです。特に宗教音楽を重要視されています。そう言えば、リュリを忘れていましたが、フルートの作品では入門編的な曲が多いです。急遽追加します。

 

<作品の特徴>

 宗教曲のほかに、舞台音楽や、分類しにくい小品がたくさんある。それらの小品は、当時のイタリアのカンタータに似て、一つか二つの声楽パートと器楽のために作曲されており、楽種の名称を除けばほとんど共通点がある。シャルパンティエ自身はそれらの小品を「エール・セリユ(air sérieux 厳粛なアリア)」とか「air à boire」と呼んだ。これらはフランス語での表現であり、イタリア語ではカンタータと総称される。

  シャルパンティエ作品は、音楽学者ヒュー・ウィリー・ヒチコックによって目録が作成された。このため、ヒチコック番号と呼ばれるHつきの整理番号がしばしば使われている。

  《テ・デウム ニ長調》の前奏曲は、欧州放送連合で使われていることで有名で、ウィーンフィル・ニューイヤーコンサートやユーロヴィジョン歌唱コンテストの開始テーマにも使われている。

 

  それでは、リュリも少し聞いてみましょう。  

 

     

        Gavotte in Rondeau - Jean Baptiste Lully

 

 

     

 

       [Cziffra György] Lully: Gavotte en Rondeau for Piano

 

 

     

 リュリ: 歌劇「アルミード」 パッサカリア[ナクソス・クラシック・キュレーション ]

 

 

  ジャン=バティスト・リュリ(Jean-Baptiste [de] Lully', 1632年 - 1687年)は、フランス王国盛期バロック音楽の作曲家です。ルイ14世の宮廷楽長および寵臣として、フランス貴族社会で権勢をほこりました。元はジョヴァンニ・バッティスタ・ルッリ(Giovanni Battista Lulli)という名でイタリア人でしたが、1661年にフランス国籍を取得しています。

  音楽史の観点からリュリは、バロック音楽中期(1650年~1700年)に属す。通奏低音が曲の推進力となる典型的なバロック様式の音楽を構築し、その後のフランスのバロック音楽に深く影響を残した。また、リュリの音楽は、速い楽章の快活さや、悲しげな楽章における情緒性を兼ね備え、幅広い表現でも名高い。特にコメディ・バレやトラジェディ・リリックのクライマックスで多用されるパッサカーユやシャコンヌは人気があり、例えば『アルミード』のパッサカーユにはジャン=アンリ・ダングルベールの編曲なども残されている。宗教曲の分野でも、たとえば宰相セキエ(Sequier)の葬送音楽『われを憐れみたまえ』(Miserere)は称賛を受けた。

  リュリの影響力は、宮廷舞曲そのものの様式にも急激な革命をもたらした。それまで支配的だった緩やかで荘重な動きに代わって、急速な動きの舞曲をリュリが採り入れたからである。リュートやクラヴサンを始めとする器楽曲の発展も重なり、ブレ、ガヴォット、ジーグ、パスピエ、メヌエット、サラバンド、シャコンヌなど新しい舞曲が流行する一方で、中世からルネサンスを経て受け継がれてきたいくつかの舞曲は流行おくれとなって廃れ、生き残ったものも、例えばアルマンドは2拍子から4拍子にかわるなど、前世紀とは性格的な違いを示すようになった。

  リュリは管弦楽曲の作曲にも重大な変革を引き起こし、いくつかの新しい楽器をオーケストラに採り入れている。弦楽器の弱音器使用の指示を楽譜に書きこんだのも、一説ではリュリが最初とされる。フランス風序曲の構成(壮麗な2拍子の行進曲調の導入部と、より対位法的な、普通は3拍子の主部との組み合わせ)は、リュリによって確立された。

  リュリの音楽、この資料に関する曲は、いずれまた取り上げます。

 

 

テ・デウム ニ長調 より プレリュード

Charpentier, Marc-Antoine PRELUDE AUS DEM TE DEUM IN D

 

 

曲集/Album
CD:はじめて吹くフルートバロック集