先日、アメリカ野球殿堂表彰者が発表されました。殿堂入りは選手個人にとって最高の栄誉でしょう。
Player | Total Votes | Percentage |
Andre Dawson | 420 | 77.9% |
Bert Blyleven | 400 | 74.2% |
Roberto Alomar | 397 | 73.7% |
Jack Morris | 282 | 52.3% |
Barry Larkin | 278 | 51.6% |
Lee Smith | 255 | 47.3% |
Edgar Martinez | 195 | 36.2% |
Tim Raines | 164 | 30.4% |
Mark McGwire | 128 | 23.7% |
Alan Trammell | 121 | 22.4% |
Fred McGriff | 116 | 21.5% |
Don Mattingly | 87 | 16.1% |
Dave Parker | 82 | 15.2% |
Dale Murphy | 63 | 11.7% |
Harold Baines | 33 | 6.1% |
AndresGalarraga | 22 | 4.1% |
Robin Ventura | 7 | 1.3% |
Ellis Burks | 2 | 0.4% |
Eric Karros | 2 | 0.4% |
Kevin Appier | 1 | 0.2% |
Pat Hentgen | 1 | 0.2% |
David Segui | 1 | 0.2% |
Mike Jackson | 0 | 0% |
Ray Lankford | 0 | 0% |
Shane Reynolds | 0 | 0% |
Todd Zeile | 0 | 0% |
(MLB公式からコピペ)
ほ、細い!全身バネといった感じです。
<通算成績>
2627試合 2774安打 438本塁打 1591打点 314盗塁 打率.279 出塁率.323 長打率.482 OPS.805
現役時代を生では知りませんが、成績を見る限り打って良し、守って良し、走って良しの三拍子揃っています。日本の選手に例えれば秋山幸二といったところでしょうか。殿堂へはやはりカブスの帽子で?(MVPを獲得したのはカブス時代)。エクスポズはもう無いですし。複数のチームに在籍した選手がどこの帽子をかぶってレリーフとして飾られるのか?というのも楽しみの一つであります。
A.ドーソンは3000安打も500本塁打も達成してませんが、やはり、三拍子揃っている選手は評価が高いようです(かつては、打者なら3000安打or500本塁打、投手なら300勝を達成すればほぼ殿堂入りだった)。かつては、と言ったのは、今日では主に以下のような問題が出てきているからのようです。
①ステロイド使用選手の評価
②中4日ローテや100球制度の定着で300勝というラインが厳しくなってきた
①は、M.マグワイヤの得票率を見ると分かりやすいです。500本塁打を達成していますが、ステロイド疑惑(つい最近、黒であることを告白)により得票率は資格初年度から20%台をうろうろしています。今後R.パルメイロ、R.クレメンス、B.ボンズ、S.ソーサなどが資格を得た時の得票率も要注目です。
②は先発投手の評価ですが、今後300勝が視野に入ってくるのは現状CC.サバシアくらいか?サバシアも今後年平均で17勝くらい稼がないと厳しい。A.ペティット、R.ハラデイは年をとり過ぎた感があります。J.モイヤーが55歳くらいまで一線で働けばなんとか(笑)。逆に300勝を狙いに行くとR.ジョンソンやT.グラビンのように晩節を汚す恐れがあります。
投手は通算の数字よりもむしろ印象、そして他者を圧倒していた時期があるかがより重要になってくるのかもと思います。
例を挙げるとP.マルティネスやM.リベラ。ペドロは通算300勝に程遠く、到達は絶望的ですが、2000年のWHIP0.74が光ります。かつての殿堂入り選手に例えればB.ギブソンのようなタイプ。
クローザーも同様で、M.リベラは確実で一発当選もあるでしょうが、通算最多セーブ記録保持者のT.ホフマンは結構時間がかかると予想します。両者の差はポストシーズンで残した印象でしょうか。
現在の若い投手では、F.ヘルナンデスよりT.リンスカムのほうが可能性が高いかもしれません。二年連続サイ・ヤング賞、今後どんどん受賞すれば例え現役期間が短くともS.コーファックスと同様の評価を得るかもしれません(リンスカムは小さな体を最大限に生かしたその独特のフォームからいずれ怪我をするのでは?という声もある)。
三拍子揃った選手の評価が高いという話に戻すと、今年度の得票率を見ると同じ資格初年度でもB.ラーキンとE.マルティネスの差が大きい。同じようなタイプのH.ベインズに至っては僅か6.1%。DHの選手はMVP投票でも不利のようですが、殿堂投票でも同じ傾向を示しているような気がしました。そういう意味では、500本塁打を達成しているF.トーマスやJ.トーミなどがどうなるか、興味深いです。
他には、R.アロマーが一発当選まであと一歩というのと、A.ガララーガが即足切りだったのが意外でした。アロマーは50%くらいかなと思っていました。ガララーガはやはりコロラド補正といった色眼鏡で見られたのか・・・・。
そして殿堂投票で面白いのがライバルの存在。記者投票は資格者の中から最大10人の名前を連記する(日本の野球殿堂もほぼ同様の方式)ため、資格初年度の大物が続々と参入してくると彼らにはじき出されて得票率がどんどん下がってくる場合があります。
例えば今年度が1年目のラーキン、50%強とまずまずの得票率でしたが、今後J.バグウェル、C.シリング、C.ビジオ、M.ピアッツァ、G.マダックス、などが大物が控えているため、得票率が順調に伸びるとは限りません。現役にもD.ジーター、A.プホルス、A.ロドリゲス、I.ロドリゲス、V.ゲレーロ、C.デルガド等々・・・・数え上げたらきりがない。ラーキンが記者投票の資格最終年になった時、J.マウアーが初年度で一発当選したあおりでThe End、なんてケースもあったりするかも?