詩の商人
今日、言葉が死んだ。胡散臭い自由と平等の
もとで死んだ言葉の葬列に列ぶのは商人たち
だ。死んだ言葉の雨が降りつづくなか詩の商
人たちは死んだ商品の葬儀にしかつめらしい
声を捧げて今日を終える。詩の商人たちは次
の商品を探す。
捷径に言えば次の商品に王冠を捧げ祀りあげ
るのみでよい。いつの時代にもけっきょく商
人たちが巧く生きるのだ。詩の商人にとって
は商品がよく売れるようにプロデュースする
だけでよい。与えられるものはなんでも与え
て後押しすればよいだけなのだからさして難
しいことではない。インスタント・スター。
のちの世までそう呼ばれる偽の星だ。
おれはまた妄想が現実化してゆく過程を見る。
こうして成り立つこの世を否定する気はない。
脳髄、すなわちこの世のシステムの在り方は
とても商人的に成り立っている。どんな商品
が売れるのかを最もよく知っているのは商人
たちだからだ。今はだらだらと衣類のように
処理されて愚鈍な黄昏のような響きが残るば
かりの言葉が選ばれる。
しかし時間に堪うるものは野にある。それも
商人たちの計算に入っている。野に咲くもの
を探しあてる嗅覚に鋭いものがそれを見つけ
たら一気に人気をあげさせて祀るのも商人た
ちなのだ。巧く商品を売りさばく腕のあるも
のなら商談もまた得意なのだ。詩の商人はど
こにでもいる。詩の商人には死ぬべき時間も
残されていない。
2017/11/28