怪物だーれだ/「TAR ター」を観た | そーす太郎の映画感想文

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しれっとネタバレしたりするんで気をつけてください。




  ​TAR ター



怪物だーれだ



けっこう前ですが、初日に観ました。

TAR、めちゃくちゃおもしろかったし、とんでもなく引き込まれました。


端的に言うと、すごく変わった感慨の映画でした。だが、そこがいい。


とにかく画面が全編バキバキ、音周りの演出も全てがすごい。細やかな大人演出、ホラー的演出もあり、映画館で観て本当に良かったです。TAR→ARTであると考えると全てがバシッとハマる映画でした。芸術界とキャンセルカルチャーのお話たして、とても興味深く観ました。キャンセルされる側の人間の視点から描く映画ってあんまりなかったなと。


とにかく、わかりやすく言えば主人公は天才なんだけど、人間的にはけっこうやばいヤツ。なんですが、そういう人間を主人公にできるのが映画だとも思うわけです。


後半はとにかく、「キャンセルカルチャーのその先へ。」という感じで。そう考えるとラストは清々しいハッピーエンドだと私は解釈しました。


「過去の自分」というモンスターをハントし、新たに生まれ変わった主人公の行く先を、終いには応援すらしてしまう。映画って素晴らしい。