ケイコ 目を澄ませて
リバイバルで今更鑑賞!
GWに感想を一掃させる企画6本目。三宅監督の「ケイコ 目を澄ませて」を、公開時見逃してまして、もう配信でいいかと思ってたんですが、たまたま近くでリバイバルがはじまったので、せっかくなので観てきました。
いやぁ映画館で観といてよかった!素晴らしかったです。
とにかく撮影がすごい。何気ないシーンの生々しさ、生活感、この刹那的な「取り戻せない今」みたいなものが撮れちゃってるような奇跡のような撮影になっててすごかったです。16ミリフィルムで撮りきるという気合がそのまんま作品のすばらしさに直結しててすごかったです。
全て見終えて、この映画のいいなと思ったところは、最終的になにも解決してないところだったりしました。まったくドラマティックな展開にはならず、なくなるものはなくなったまま、ただただ日常が続いているというだけ、なんですが。でもだからこそ、これまで描かれてきた何気ない生活と日常がなんかとんでもなくかけがえのないものに思い出されるみたいなことになってて、なんかこの映画でしか得られない感慨がありました。
岸井ゆきのさんと三浦友和さんがキネマ旬報で賞をとってましたがそれも本当に納得で。
この軸となる2人の存在感と演技が本当に素晴らしかったです。三浦友和は本当にすばらしかったなぁ…。
主人公の岸井ゆきのがしゃべらないので、細かい彼女の表情や、しゃべらない彼女に対する俳優さんたちの受けの演技によって観てる側が関係性をくみ取る映画なわけだけど、この三浦友和と岸井ゆきのの関係性はなんとも言葉にできない2人だけの信頼と関係性が浮かび上がってきてね。ラスト周辺はなんかしみじみと感動しました…。
てなわけでケイコ、映画館で観れてよかったです!